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イノシシは誤解されている

 今年の干支のイノシシは大変気が荒く、猪突猛進のたとえもある。確かに敵に襲われた場合は山中を凄いスピードで駆け抜けることができるが、前にある障害物の木や壁に直進してぶつかることはない。鋭いセンサーをもっていて直感的に避けることができるからで、その角度も急カーブで逃げられるように作られている。


 その昔、富士の裾野で曾我兄弟や仁田の四郎のイノシシ退治の武勇伝もあったが、イノシシの牙は鋭くとがっていて人間も襲われると大けがをすることがある。だが一般には防禦用として使うことが多い。


 いのししの親は秋深くなると子ども達を連れて山の斜面を1メートルほどの穴を掘ることがある。これは自然薯を掘っているわけで、秋の陽気のよい時に栄養をたっぷりととらせて、やがて迎える冬の食糧危機の厳しさに備えるためだろう。


 少年時代に裏山で、このヤマイモを掘りに行ったことがあるが、平坦地では掘りにくくてやはり傾斜地をよく選んだものだ。ところが秋になると目印が枯れて場所がわからなくなることもある。だがイノシシは、その場所を覚えていてお先にとばかり掘り返している。


 地域により多少の差はあるが、東海地方の山を調べるとイノシシの出産時期は決まっていて毎年4月15日から4月29日の間である。5月のゴールデンウィークに家族連れで遊びに行くわけではない。毎春、この時季は桜の花も散り、野に里に新芽がでる季節であり、これが母親が子育てをするのに絶好の季節なのだ。このグッドタイミングは生物時計といい自然界の不思議さでもある。


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(AFLO)


 子どもはウリ坊と呼ばれ、独特の縞模様が美しく可愛い。ふつうイノシシの赤ちゃんは4頭から14頭生まれてくるが当分は目が見えない。ところが赤ちゃんは母親の乳首にしがみついてお乳をねだる。例えばブタは世界に約500種もおり、大きいのから小さいもの、黒や白などがいる。ブタも子だくさんで有名だ。


 ブタの場合は世界中の種が統一されており母親は赤ちゃんを出産後、ピタリ59分50秒経つと初乳が出てくる仕組みだ。60分ではないのが何ともデリケートである。赤ちゃんは目が見えないけれどオッパイを飲むが、時間は僅か10秒だけ。その間お乳を飲めた子は育つが、飲めない子は脱落してしまう。次は1時間経たないと乳が出ないからだ。そんなブウブウいっているブタにそんな知恵があったとは、トンと知らなかった人も多いのではないか。


 イノシシも同様で強い子は胸の近くで乳を飲むから強いけれど、おしりの方はみな吸われて乳の出がよくない。そんために弱ってしまうのは止むを得ない。それに母親が立ち上がる時に、後足で踏まれたり、けられたりすることもある。これが本当のふんだりけったりか。


 食性はイモ類、野菜などだが、山野の開発で食料不足となり、ミカンの木にジャンプして食べるのが増えている。やはりイノシシも健康保持ためビタミンCの補給をしているのだろうか




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