「来年1月通常国会冒頭解散」に真っしぐらの政局
8月以降は、衆院の解散・総選挙をにらんだ政局で突っ走ることが決定的だ。その解散時期は、筆者は来年1月の通常国会冒頭が90%、年末が10%と読んでいる。
なぜ、そうなるのか。次のような政局展開が予想されるからだ。
まず注目しなければならないのは、福田康夫首相の“変身”である。悲願の7月の北海道洞爺湖サミットまでは政権運営に自信なさげだったが、期待した内閣支持率はハネ上がらなかったものの横バイを維持できたことで妙に自信を持ったことがある。
「まったくメゲていない。記者会見の自信なさの表情とは異なり、官邸内では元気そのものだ。声にも張りがある。サミット議長国としての責任を果たし、7月いっぱいで温室効果ガス排出削減のための“低炭素社会づくり行動計画”、社会保障に関する緊急対策の“5つの安心プラン”、追加的な原油高対策も発表、来年度予算の概要要求基準の閣議了解も済ませ、政策課題もひと区切りつけたとの思いがあるんだろう。そうした自信の先には、次はオレの手で解散・総選挙をやるとハラをくくっているのがミエミエだ。その総選挙は、公明党との協力関係が不可欠。自民党とケンカしても、公明党の言い分は呑む。最近の福田首相の姿勢が、そのハラのくくりを表している」(自民党幹部)

なかなか内心を明かさない!?福田首相だが、
やっと解散・総選挙のハラを決めたようだ
“公明党の言い分”とは、こうである。来年7月には、東京都議会選挙がある。公明党にとっては、総選挙と同等の全力投球の選挙である。選挙母体の宗教法人としての創価学会の許認可権は、東京都が持つ。都議会の議席は減らせない。全力投球のゆえんだが、学会の選挙態勢は一つの大きな選挙に全力投球した場合、次の選挙に態勢を立て直すにはできれば半年、短くとも3カ月の間隔が不可欠なのだ。全力投球で疲弊した選挙態勢の“再構築”には、それくらいの期間が必要ということである。それでなくては、とても大きな選挙は戦えない。
そこで、福田首相への公明党の注文が出た。「自民党との選挙協力はキッチリやる。ただし、総選挙は早期が条件になる」と。福田首相は、それを呑んだともっぱらだ。当初、7月末を考えていたとされる内閣改造を先延ばし、ともなって自民党の伊吹文明幹事長が描いていた8月下旬召集の臨時国会も急ぐ必要なし、これもどうやら9月召集にズレ込みそうだ。自民党の意向に背を向けても、公明党と手を握ったということである。
その公明党の言い分、狙いは、次のようなもののようだ。
「臨時国会は民主党など野党だが、年金、後期高齢者医療制度、物価高騰、官僚の不祥事問題などで大攻勢をかけてくる。さらには、インド洋への給油支援の新テロ対法を与党が今年1月同様“再可決”で強行すれば、世論の逆風はさらに高まる。ために、臨時国会では、新テロ対策法の処理は見送り、福田さんあんたが主導した消費庁の設置法案くらいを成立させ、早く閉めたほうが得策だ。そして、あんたの手で解散・総選挙に飛び込むべきだ。モタモタしていると、麻生太郎前幹事長あたりに政権を取って代られるゾ」
現在、福田首相と公明党の太田昭宏代表はツーカーの仲。しょっちゅう携帯電話で意思の疎通を図り合っているというから、太田代表からそうした“檄”が飛んだだろうことは想像に難くない。
なにしろ、公明党のゴキゲンをそこねて「自公」の選挙協力がパーになれば、小選挙区での自民党候補は100人以上が落選するという分析もあり、自らの手でと解散・総選挙に前のめりになっている福田首相としてはそれを多とするは言うまでもないということである。また一方で、公明党は総選挙で仮に与党で過半数を維持できたとしても、その政治信条からして麻生前幹事長が総裁(首相)の自民党より、福田首相のほうがずっと歩調を合わせやすい。福田さん早く選挙に飛び込めよは、そうした事情も手伝っている。
さて、その総選挙だが、筆者のこれまでの分析では政権交代となる可能性が高い。民主党の単独政権は微妙だが、野党連立政権の誕生は十分にあり得る情勢だ。その時、公明党はどうするのか。
公明党には、こんな声が高まっているという。
「どうやら、太田代表もハラを括っていると見ていいい。すなわち、次の総選挙は“自公”協力でいくが、与党が過半数割れした場合、公明党も政界再編 で動くと。どう動くのかは“白紙”を強調しているからには、民主党との連立政権もあり得るということでしょう。政策的にも、いまの自民党より民主党のほうが近いワケですから」(公明党担当記者)
福田首相、人一倍“熱い”残暑を迎えそうだ。


