深谷隆司 「テロ特措新法」で手腕を見せたチャレンジ精神旺盛な政策マン
衆議院議員 深谷隆司

ふかや たかし
1935年東京浅草に生まれる。早稲田大学法学部卒業(雄弁会に所属)。
63年27歳で台東区議会議員当選。69年33歳で東京都議会議員に当選。
72年37歳で衆議院議員初当選。郵政大臣、自治大臣・国家公安委員長、
通産大臣、自民党総務会長などを歴任。現在、衆議院国際テロリズムの防
止及び我が国の協力支援活動 並びにイラク人道復興支援活動等に関する
特別委員会委員長。
――「テロ特措新法」が現在も参議院で審議されていますが、衆議院では2007年11月13日に可決を見ております。テロ対策特別委員長としてのご尽力はどうだったのですか。
深谷●安倍内閣の後半でしたか、麻生幹事長から電話をいただき「テロ特措法の委員長に」とのお話がありました。国にとって大事な、やりがいのある仕事とお引き受けしたのですが、すぐに開店休業。自民党総裁選で福田内閣になり再任とのことで続けてきました。
湾岸戦争の時に、わが国は1兆8000億円以上の莫大な国民の血税を出費したが、世界からほとんど評価されなかった。「汗を流していない」という批判からでした。そしてアメリカでの同時多発テロによって、一度に2973人が亡くなられる事件がおきた。これはまさに戦争です。テロとの戦いが世界でクローズアップされる中で、日本は憲法の範囲の中で何ができるかとの答えが、インド洋での給油活動だったのです。この活動は特措法によって決められ、世界から評価をいただいた日本の国際貢献として続けてきたのです。
ところが、この戦闘地域でもなく武器を持って戦うこともないわが国の国際貢献の期限が2007年11月1日で切れ、給油ができなくなりました。野党は「ガソリンスタンド」などと揶揄しましたが、インド洋は石油をわが国に運ぶシーレーンでもあり、非常に重要な地域なのです。資源のない日本にとってまさに生命線です。もし石油が入ってこなくなったら、日本経済も国民生活も大変なことになってしまいます。
先ごろ、海上自衛隊の補給艦「ときわ」の帰港式に出席しました。参加した自衛官の労をねぎらうとともに、洋上を走りながら給油する技術が世界から期待されていることを改めて感じました。
衆議院でのテロ対策特別委員会は、防衛長官経験者の中谷元委員や公明党の赤松正雄委員などスタッフに恵まれ、野党からも民主党の鉢路吉雄委員、渡辺周委員など真面目で真摯な人たちが集まった。私は委員会を運営するに当り公平を旨とし、できるだけ野党の声を聞こうとしました。それで40時間55分の審議時間となりました。それだけ時間をかけると、野党側も審議の時間が少ないとは言えません。

衆議院のテロ対策特別委員会での深谷委員長
――しかし、防衛省をめぐってとんでもない事件まで勃発して、証人喚問をしなければならなくなりました。
深谷●守屋前防衛事務次官の証人喚問です。これまでは与党側は証人喚問の場で証人を庇うことが多かったが、私は防衛省の膿を出し切るつもりで臨みました。何百回もゴルフに夫婦で参加し、しかも偽名を使っているのは不正を承知していたことです。ですから冒頭の15分間の委員長尋問も厳しく行いました。日本の国際貢献という重要なことを審議しているのに、あなたの過去のことで時間を浪費するとは…と。
その後もいろいろありましたが、総体的に粛々と議論を進めた結果、世論も新法支持が高まってきて50%以上の支持を得てきたので「これでいける」と思いました。ところが、参議院に送られた途端に動きがとまり、年金問題などで新法に関する支持率も内閣支持率と同じように下がってきたのです。過半数を占めている野党側のペースには国民からの批判もあるだろうと思っていましたが、マスコミも反権力側にたってマイナス方向に流れてしまった。途中「大連立構想」の問題も起きた。民主党の小沢代表の失点だと思っていたが、マスコミもそれほど大きな問題にしなかった。
――やはり衆議院での再可決ということになるのでしょうね。
深谷●絶対に行わなければならない国際貢献だとの認識で、福田首相も2度にわたる国会延長を行いました。これで1月11日に法案提出60日を経て、参議院で採決しなくても自動的に衆議院に戻って3分の2以上の賛成で可決されます。
実はここに大きな問題があります。もし参議院で採決されることなく、60日規定で衆議院に戻されるということになれば、参議院の存在価値は何かということになるのです。良識ある議員が判断すれば、60日間の期限を待たずに採決するのが常識だとわかるはずです。最終的に議決をしないというのは、一種の職場放棄です。
衆議院のテロ対策特別委員会は予算委員会に次いで多く45人の大所帯ですが、参議院は外交防衛委員会と言う常設委員会で、21名しかいません。ところが、30時間を超えた今も質問時間が必要だと言っている。衆議院で議論されてきたことですから、次第に議論が他のテーマになってしまうのです。
薬害肝炎訴訟については、福田首相が一律救済を議員立法で行うことになりました。また、テロ特措法に関心が戻ってくるのではないかと期待しています。そうなれば、野党への批判も出てくるに違いありません。
――永田町では「解散総選挙」の話題が挙がっていますが、どのようにご覧になりますか。
深谷●解散総選挙が近いと言っているが、私はそうは思わない。むしろ、そうすべきではないと思っています。衆参のねじれ現象がある限り衆議院での3分の2が政権運営の必須条件ですが、次の選挙ではそこまで取れません。民主党も小沢代表が大連立に興味を示したように、政権を取れるとは思っていないのです。そうなると、政権交代というのではなく、政界再編、つまり政界混乱を招き、政治の空白が起こりかねないのです。かつての細川・羽田政権の時代の混乱を再び起してはいけないのです。
あの政権の最大の問題点は、予算が立てられなかったことです。多くの集団でできたものだから、予算編成でも意見がバラバラ。本来なら年内に予算の概要ができて、1月に提案して3月には解決しなければならないのに、3月いっぱいまで予算提出はかかった。これでは政権として体をなさなかった。この8カ月半の細川政権と2カ月の羽田政権がのちの経済破綻に様々に繋がってきている。それほど影響は大きかったのです。
私はマスコミが面白おかしく報道するように、自民党が惨敗するとも思っていません。民主党こそ、解散総選挙に突入する体制ではないのです。だから、小沢代表は大連立という道を考えたのです。しかし、民主党は執行部が一枚岩ではなく、その必要性を敏感に察知できず大連立の小沢提案に対して鳩山由紀夫幹事長を含めて総反対をした。その結果の小沢氏の代表辞任劇だったのです。彼の民主党はこのままでは勝てないという言葉は、正直な言葉だったに違いありません。
テロ対策特別委員会では、40時間をこえて審議をしたのち、「総括質疑」を野党が決めてくれた。私はこれで採決に移れると思いました。首相が参加する「総括質疑」の後は採決になるという重さがあるのです。野党の皆さんはそのことを知らなかったのか。私の場合、年季が入っているからこそ、テロ特措新法を採決させることができたのです。
――深谷先生はかつて「深谷政経塾」を主宰されていたが、今は自民党政経塾になっていますね。
深谷●もともと国会議員をつくるために始めたものではありませんでした。政治であれなんであれ、リーダーたる人が少なくなってきたから、自分の体験を話しリーダーを育てようとしたのです。その後、自民党の都連からそのまま自民党の政経塾にしてくれと依頼があったのです。60人ぐらいを目安にしていたら170人も集まってしまった。地方選挙の登竜門のようなものになっており、この間の選挙も71名が立候補して54名が当選しました。当選率76%です。
参加する人たちは、本当に真面目で一生懸命勉強しています。また自民党も、彼らを教える政治家には事欠きません。現職の大臣からは政策全般について、また選挙戦についても実践さながらのコーチをしています。
最初は国政にかかわれなくても、地域から政治にかかわることが大切です。私も区会議員、都会議員、国会議員とやってきました。そこに地域の政治の大切さと国民の平和で安全な暮らしが見えてくるのです。
――深谷先生の趣味の広さは永田町でも有名ですが、絵画はどうですか?
深谷●なかなか描く時間がありませんが、それでも昨年の二科展では二つの作品が入選しました。これで10回目の入選ということになります。暇を見つけてはコツコツと描いています。気分を変えてピアノも弾いたりしています。

――集中して打ち込むこととリラックスする方法も実践されている。それが若さの秘訣なのでしょうね。今後も頑張ってください。
深谷隆司衆議院議員のホームページ
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コメント
私の最も信頼し、尊敬する深谷隆司先生の詳しい紹介を嬉しく拝見しました。テレビでも益々お元気なご様子、力強くも感じました。
政治に命を掛ける先生の姿勢が信頼の原点です。
何事にも反対、解散を異口同音に叫ぶ彼らに、失望どころか、怒りさえ感じるこの頃です。首相の漢字の読み間違い、閣僚中川議員の間違いを声高に報じるマスコミも、度々、違った活字を使っては詫びています。
世論はマスコミが作る時代、今日の危機を膨大に報じるのではなく、国を挙げて、国民皆が一致してことに当たることへの助けとなるべきです。
内閣支持率とて、定額給付金においても、私の周囲の国民の意志とは程遠い結果が出ているのが理解できません。
米国新大統領と麻生首相を比較すること自身が愚かなこと。弁舌巧みなオバマと口下手な麻生氏の差でしかないのです。膨大な負を抱えた米国と貯蓄高世界有数の日本では事情が違います。
将来に希望を持たせることもマスコミの使命と、彼らに知らしめたい気持ちです。
人気ではない実力で日本を支えうるのは自民党以外にはないということを国民は知るべきです。戦後私の一門は社会党の短期政権による施策、「農地改革」によって根こそぎ財を失ったのでした。
一時の人気で踊る政党に国政を任せる危険は身をもって体験しているからです。未曾有の混乱から日本は最も早く立ち直る潜在力があるのです。どうか指導力を発揮して、この難関を好機と捉えて、転換されることを祈ります。
最後に、演説原稿を若し作る役人がいるのであれば、特異な漢字にはルビをつけることを是非に進言いたします。
投稿者: 尾張裕峯 | 2009年02月02日 21:55