櫻田義孝 本音で政策を訴えつづける“庶民派政策マン”が語る日本の国家像
衆議院議員 櫻田義孝

さくらだ よしたか
昭和24年12月千葉県柏市に生まれる。明治大学商学部卒業。柏市議、
千葉県議を経て、平成8年衆議院議員初当選。以降連続4期当選。初代
外務大臣政務官、経済産業大臣政務官などを歴任。平成17年内閣府経
済財政政策、金融担当副大臣に就任。平成18年衆議院厚生労働委員長、
平成19年自民党政務調査会財務・金融担当副会長就任、衆議院内閣委
員会理事就任。
――昨年の参院選以降、国会は「ねじれ現象」の状態にあります。これまでに「テロ特措法」や「道路特定財源の延長法案」が3分の2条項で衆議院で再議決されたり、「日銀の総裁人事」で空席が続いたりして、まさに混迷しております。責任政党としての対応と野党の国会運営についての先生のご意見は?
櫻田◎参院選の結果は本当に残念でした。安倍晋三前首相の初めての国政選挙で、課題にしたのは「憲法改正」「戦後レジウムからの脱却」「国民投票法」などで、どれも非常に大切なテーマでした。そして「教育基本法の改正」もありました。
ところが、選挙では「年金問題」が敗因の最大の理由となってしまった。安倍内閣が当事者ではないものが争点になって敗北したというのは、忸怩たる思いがあります。
年金制度の不備は、社会保険庁の中の問題から生まれたものです。その背景には、労働組合の加盟率が90%を超えるという異常な状態の社保庁と民主党との馴れ合いがあったのです。民主党の支持基盤である社保庁の問題部分の責任を、自民党がとらされたということになってしまったのです。
それから福田政権が出来て、「ねじれ現象」で苦労されているのです。特に民主党をはじめとする野党が審議に応じないという問題があります。
「ねじれ現象」で最悪の状態は、日銀総裁が決められなかったことです。その結果、諸外国の日本経済に対する不安感を煽り、投資が離れ、株価の低迷を招いたことです。民主党は、一つひとつの政策に対案を出して自らが政権担当能力があることを示せばいいのに、それが出来なかった。とても政権云々の党ではありません。
――ただ「後期高齢者医療問題」については、ちょっと問題がありすぎたようですね。
櫻田◎この問題ではマスコミも含めて、法案がどのように出来てきたのか知ってほしいですね。10年間にわたって医師会の考え、厚生労働省の考え、高齢者諸団体の考え、労働組合を含めてありとあらゆる人たちの意見を聞き、その了解のもとで出来上がったのです。
ところが、厚生労働省のいいかげんな計算で負担が軽くなる人が7割とか5割とか、あるいは5年経ったら75歳以上の老人保険の掛け金が40%もアップすると言い始めた。これでは国民感情としても、納得のいくものにはなりません。もう少し、ちゃんと説明すべきだったのです。
年金から引き落としになることも、国民のほとんどが知らなかった。2年前にこの法案が決まった時にも、与野党間で審議の対象にならなかったのです。野党は今ごろになってネーミングが悪いと言っているが、国民の反発に便乗して攻撃しているだけです。
――役人の問題も大きいですね。櫻田先生は、「国家公務員制度改革法案」についても非常に積極的ですね。
櫻田◎自民党でも、役人出身の人も含めてやるべきだという人とボツにしようとしている人もいます。私は渡辺喜美大臣とも話し合ってぜひ進めていきたく思っています。
――「道州制」の導入も、この国家公務員の問題に密接に関わってくるのではないでしょうか。
櫻田◎まさに縦割り行政の悪弊をなくすためにも、ぜひ実現しなければなりません。公務員の弊害をなくし、一極集中の日本の国家像を変革するのです。北海道、東北、東海などそれぞれに拠点を持つべきなのです。東京の規格を北海道から沖縄まで押しつけるのは間違っています。実際、各県の満足度の上位は、福井や富山なのです。暮らしやすさや満足感が得られる国にするのが、われわれ国会議員の役割なのです。
総理も「道州制」について施政方針演説にも謳って前向きにすすめているのに、役人は反対するため「仕事が要らないのか」と業界に圧力をかけたり、根回しをしているのです。総理の意向を無視しているのは、公務員として言語道断な行為です。国益のためにではなく、省益のために動いている。私は「国家公務員制度改革法」は何が何でもやならなければいけないという強い信念を持っています。

衆議院厚生労働委員長として本議会で委員会報告をする櫻田議員
――政策マンとしても、これまでにいくつもの議員立法を提案、可決させていますね。
櫻田◎「振り込め詐欺」対策としての「預金口座等の不正利用防止法」や「携帯電話不正利用防止法」などを成立させたり、また「事業用定期借地権」についての「借地借家法改正」を実現したりしてきました。また今回の国家公務員幹部の人事を一元管理する「内閣人事庁」の創設を柱とする「国家公務員制度改革基本法」も積極的に進めております。議員立法である「宇宙基本法案」の趣旨説明も私が行ってきましたし、内閣府道州制担当副大臣として「道州制特区推進法案」も進めてきました。
役人を使いこなせないと、議員立法なんかできません。役人の言うことをは聞くべきところは聞くが、あるべき政策の決定についてはブレてはいけないのです。
――今後はどのような議員立法をお考えですか?
櫻田◎財政再建を欧米並みの水準にする政策です。そのためにも、都市政策の問題と将来的にはタバコの値上げをしたいと思っています。日本財団の笹川陽平会長はタバコ1箱を1000円にしましょうと言っています。そうすれば、9兆5000億円の増収になるという試算があります。国際水準並にすれば、医療費に回せる財源も確保できます。目的税として考えるべきではないでしょうか。
それから、都市政策というのはいろいろ面が絡んできます。例えば、食料自給率がいま39%ですが、農業のあり方を根本から変える必要があります。その一つとして、少子高齢化社会で人口が減少しているのですから、人間が住むところを都市に集中させる必要があります。ショッピングモールや医療モールをつくり、限界集落化している農村には、通勤感覚で農業をしてもらうのです。都市に住んでお互いに助け合い支えあうような社会をつくり、医療・介護と教育を充実させていくのです。
また現在、食料資源の3分の1が捨てられています。それを廃棄物にするのではなく、肥料や飼料にして再利用するのです。産業廃棄の免許がなくても、調整区域や荒れた田畑、あるいは山林でもその施設をつくれるように特例を設けたい。資源の再利用で地域の活性化をはかり、雇用にもつなげることができます。
さらには、外国の労働力をもっと受け入れるべきです。特に介護の分野で必要なのではないでしょうか。私は移民局をつくってもいいのではないかと考えています。
また議員立法ではないですが、そろそろ消費税についても考える時期です。ヨーロッパでは消費税が上がっても苦情が出ないのは、安心・安全があるからです。日本でも、行政面でのムダをなくした上で、新しい仕組み、システムを作るという目的税として消費税の議論を始めるべきだと思います。
ガソリン税問題も、北海油田を抱えるイギリスのガソリンが1リットル250円、ドイツ・フランスが220円、韓国が190円です。日本はまだ安い方です。ムダを省いて使い道がはっきりわかれば、だんだん理解してもらえるのではないでしょうか。
――ところで、先生は登山なんかもなさっていて極めて健康なご様子ですね。
櫻田◎ありがとうございます。政治家は政策を考え実行するのが本分ですが、なにごとも健康が大切なので、可能な限り山登りのイベントなどには参加するようにしています。体を鍛え精神的にも解放され、いい気分です。
――その他にお好きなことは?
櫻田◎「鍋奉行」を自認しており、議員連盟で「居酒屋文化を愛する会」の会長をしています。国会議員といえば料亭ばかり行っているイメージがありますが、私は庶民感覚が好きな居酒屋派なのです。安倍晋三先生や中川秀直先生、古賀誠先生も来て一緒に飲みました。
個人としても「雅の会」の会長もやっているのですが、これは日本の伝統文化を大切にする会です。京都の「都をどり」など芸が誇れる伝統文化をもっと広めていきたいのです。日本の伝統文化は日本人より外国人のほうが詳しい人がたくさんいます。吹奏楽部などもいいのですが、琴や尺八、三味線などを教えてもいいのではないかと思っています。また民族衣装である着物についてももっと定着させたいですね。
櫻田義孝衆議院議員のホームページ
http://www.sakurada-yoshitaka.com/




