松島みどり 「実践的な政治家」としてさらに期待される女性代議士
松島みどり衆議院議員

まつしま みどり
1956年生まれ。東京大学経済学部卒業。大学卒業後朝日新聞社に入社し、
記者として活動。95年、自民党の新人公募で1位として、96年第41回衆議
院議員総選挙で東京14区より出馬するも2414票差で次点に。2000年第
42回衆議院議員総選挙で衆議院比例東京ブロックから初当選を果たした。
以後3回連続当選。06年安倍内閣で外務大臣政務官に就任。07年安倍内
閣改造内閣の国土交通副大臣に就任。現在、自民党政務調査会審議委員。
清和政策研究会
所属。
――ほぼ1年にわたる国土交通副大臣でしたが、岩手・宮城内陸地震が起きれば現地に飛んだり、新幹線のセールスにブラジルまで行かれるなど本当にお忙しかったと思います。なかでも一番印象に残ったことは何でしょうか。
松島◎11カ月間の外務大臣政務官に引き続いての国土交通副大臣でしたので、合わせて2年近く政府の一員として全力投球してきました。思い出深いことはたくさんあるのですが、何といっても鮮烈だったのは岩手・宮城内陸地震でした。
6月14日朝8時43分にマグニチュード7.2震度6強の地震が発生したのですが、地方の選挙区におられた大臣や担当副大臣よりも、東京が地元の私はすぐに動けましたので、泉信也防災担当大臣と私、それに政府の調査団を含め総勢31人が11時半に防衛省の屋上から自衛隊の輸送用ヘリコプターで現地に向かいました。
発生直後だったので、上空からではどこにどんな被害があるのかわかりませんでした。岩手県一関市に着陸して、車で行けるところまで行きました。地元の消防団の方が道なき道を歩いて地震被害の把握と残された住民の安否などを調べていました。私の地元は東京の下町ですから、消防団の活躍を日頃から見ていましたが、こういう時には本当に地域の力が重要だと改めて認識いたしました。
それから被害の大きかった宮城県の栗原市に向かいました。10町村が合併してできたこの市は、まだ財政力が弱く土木に関しても人材が揃っていませんでした。市長からも「なんとか国からの援助を」という話がありました。この辺りを上空から視察すると、本当に「えっ、こんなことになるの」という震災のひどさに驚きの連続でした。

岩手・宮城内陸地震の現場で調査・指揮する松島みどり国土交通副大臣(当時)
いちばん心配だったのは「土砂ダム」(国交省では「河道閉塞」と呼んでいましたが)の決壊でした。みなさんもテレビでご覧になったと思いますが、2階建ての旅館の1階部分が土砂に埋まってしまいましたが、このようになると現地にはヘリコプターでしか行けなくなるのです。救助活動にあたっては、自衛隊、警察、消防のほか、海上保安庁(国土交通省)のヘリコプターも活躍しました。
大きな地震ではありましたが、過疎地ゆえ亡くなられた方は10人でした。そして国の対応も早かったと評価をいただいたのですが、道路が寸断された内陸での地震被害の特徴を学ぶことができました。地震発生の日の夕方には、避難所に2万本のペットボトルやアイマスクとか濡れおしぼりが届けられました。
岩手県沿岸北部で7月24日0時26分の真夜中に起きた地震では、タクシーで国交省の対策本部に駆けつけました。
――同じ規模の地震が東京で起きたら大変ですね。
松島◎ええ、6月の地震のとき現地で対策措置をとり翌日自衛隊のヘリコプターで帰ってきましたが、私の地元である墨田区・荒川区の上空を飛んだとき、この東京で同じような地震が起きたらどうなるのだろうかと、ゾッとしました。
首都圏でマグニチュード7クラスの首都直下型地震が今後30年以内に起きる確率は70%と言われています。国の機能がマヒしたら困るので、首相官邸が使用不能となった場合、緊急災害対策本部を設置する優先順位を、①日比谷公園に面し、内閣府の防災担当部局がある霞ヶ関の中央合同庁舎5号館、②市ヶ谷の防衛省内、③立川広域防災基地内と決めています。
またこの中央防災会議の報告を受けて、首都直下型地震に備え、4月末に内閣府と国交省が首都圏の物流のための中央防災拠点を川崎市の東扇島につくりました。6月末には江東区の有明に現地対策本部を設ける建物と、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などの救援隊が集まる拠点をつくり、来年から本格的にスタートします。東扇島の基地は、阪神淡路大地震クラスの地震でも大丈夫な耐震岸壁を備えたものです。そしてそこに集まってきた物資はトラックや船で(隅田川・荒川・多摩川を)運ぶのです。ですから、臨時の船着場を充実させることも必要となってきます。
また有明は、ヘリポートは地盤改良してあり大丈夫なのですが、他の場所は液状化現象が起りかねないので、そこまで職員が到着できるよう地盤の耐震化を急ぐべきだと指示しました。また、首都圏には人工透析を必要とする患者さんが相当いらっしゃいますから、透析の治療を受けられる拠点として、越中島の東京海洋大学(旧東京商船大学)にある船を医療船にするようにしています。
――話は変わりますが、諸外国の要人との折衝もずいぶん多かったようですね。
松島◎運輸担当の副大臣として、多くの国の鉄道関係や観光関係の大臣の訪問を受けました。その結果、アラブ首長国連邦のドバイ市では、わが国のモノレールシステムが使われていますし、ロシアも新幹線の技術提供を強く望んでいるようです。

国土交通副大臣としてブラジルのアレンカール副大統領と会談

国土交通副大臣としてカブラル・リオデジャネイロ州知事と会談
ブラジルはサンパウロ―リオデジャネイロ間の500キロメートルに高速鉄道を敷設する計画を持っているので、福田首相の親書を持って売り込みに行ったのです。日本の新幹線は昭和39年に開業して以来、44年間、新幹線による死亡事故は全くありませんから非常に信頼されています。それに東海道線はピーク時の1時間に12本も走っています。また東京―大宮間も東北、上越、長野新幹線合わせてピーク時には1時間13本も走っています。さらに全ての新幹線の平均遅延時刻は18秒という驚異的な数字なのです。
海外からの問い合わせは、最終的には商社がオーガナイズしメーカーが担当するのですが、ブラジル政府から入札の時期や方法、用地買収のやり方などについて情報を入手するのは民間企業だけでは難しく、私が日本政府の代表として細かい質問を重ねました。これもいまは世界を舞台にした商戦となっており、ライバルはドイツ、フランス、韓国といった国々です。
――日本でもやっと観光庁ができるとのことですね。
松島◎今年の10月1日に国土交通省の外局として設置されます。省庁で行政改革が進められてきたなかでのことですから、観光行政の重要性を示す証左だといえましょう。新設される観光庁には、現在、国土交通省総合政策局に設置されている観光部門6課(観光政策課・国際観光課・観光経済課・観光資源課・観光事業課・観光地域振興課)に所属する約80人が移管された上、さらに要員が約110名にまで増強される計画です。
観光を「諸外国との友好の手段」と見ている人がいますが、あくまで「産業」として捉えるべきです。真剣に「観光立国日本」のあり方を考えていかなければなりません。
――羽田空港や成田空港などのインフラについても考えなければなりませんね。
松島◎私はこれまで2回ほど視察をしましたが、羽田空港の沖合いに4本目の滑走路を建設中で、2010年秋に供用開始予定です。あれだけの空港を使用しながら同時に建設を進め3年間で建設を完成させることは大変なことです。2500メートルの滑走路のうち3分の2を埋め立て、3分の1を多摩川の河口の流れを邪魔しないように桟橋で作っている技術力もすごいものがあります。
航空行政に関しても、新幹線の整備などと照らし合わせて、もう一度空港のあり方などを検討しなければなりません。福岡―鹿児島便、福岡―宮崎便も九州新幹線ができたら飛行機では採算が合わなくなるでしょう。大阪から鹿児島まで新幹線で3~4時間で行けるようになったら、鹿児島空港は市内から遠いので、大阪―鹿児島便も厳しいかもしれません。
そして原油の高騰や外国の安価を売りにしている航空会社の追い上げに対しても、ちゃんと対応していく必要があります。日本航空と全日空の2社は、国内国外便として絶対守らなければならないと思っています。それが潰れるような政策をとってはいけません。成田空港と自国を結ぶための航空協定を要望している国が、現在43カ国もあるくらいなのです。航空行政は、非常に重要な時期にあると思います。
――2016年のオリンピックを東京でということで、松島先生は「東京オリンピック招致委員会顧問」にもなられていますね。
松島◎ええ、是非とも東京で開催したいと思っています。「愛国心」という言葉を教科書に何回記述するよりも、オリンピックを日本で行うほうがよほど効果があります。現在、立候補している都市は東京、マドリッド、シカゴ、リオデジャネイロの4カ所ですが、事実上は東京とシカゴの一騎打ちになるのではないでしょうか。
来年10月、デンマークのコペンハーゲンのIOC総会で2016年の開催都市が決定されるのですが、プーチン大統領のアピールで2014年の冬季オリンピックがロシアのソチに決まったように、日本の首相もコペンハーゲンに赴いて大いにアピールしてほしいですね。そして東京都民はもちろん日本国民全体の世論の喚起が必要です。そのために東京以外の国会議員にも大いにアピールしてもらいたいし、私の地元の金メダリスト・北島康介君にも東京開催を応援してもらいたいと思っています。
――有難うございました。
松島みどり衆議院議員のホームページ
http://www.matsushima-midori.jp/
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