国会議員の素顔

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2008年10月31日

国民の汗に報いる“草の根保守”を提唱し、国民主導の行財政改革をめざす

荒井広幸参議院議員(改革クラブ)

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あらい ひろゆき
1958年、福島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。87年、福島県議会議員
選挙で当選。93年、衆議院議員総選挙で初当選し、以後3期連続当選。2003年、
衆議院議員総選挙で落選。04年、参議院議員通常選挙比例区に自由民主党から
出馬し、当選。05年、自由民主党を離れ、新党日本を立党。07年、新党日本離党、
無所属となり会派「自由民主党・無所属の会」を結成。08年、民主党を離党した渡
辺秀央元郵政大臣らとともに新党「改革クラブ」を結成。
早稲田大学客員教授も務めた。


――荒井先生といえば、「郵政民営化」に反対の“行動する論客”として知られています。その後、「新党日本」を立ち上げ、そして今度は「改革クラブ」を結党しました。この混迷した政治状況や経済状態をどうご覧になりますか。


荒井◎今は世界も日本も漂流している時代といえます。第2次世界大戦以後の価値観を大転換(パラダイムシフト)させる必要があります。アメリカ型の「市場原理主義」=金が金を生む強欲資本主義が、結末を迎えているのです。こうなることを私は郵政民営化問題の時に、「市場の暴走」「市場の失敗」が起きると警告し民営化反対を訴えていた訳です。


 郵政は、有事のセイフティーネットであり、平時のユニバーサルサービスなのです。金融面では安全第一で全国誰でもが少ない費用で公平に預貯金ができるシステムだったのです。このことを当時の小泉首相と何度も議論しましたが、国民にも解ってもらえませんでした。そして私は、努力不足と選挙中にもかかわらずテレビ放送の中で「荒井さんは失敗します」との小泉発言の影響もあって落選しました。


 しかし、郵政民営化の法案が出されるので、急ぎ参議院選挙に転出して議席を得て郵政国会に臨みました。ほとんど選挙運動期間がなかったですね。参議院では「良識の府」として否決しました。今考えれば大英断ですよ。正しかった。それでも小泉内閣の圧力で、残念ながらこの法案は通ってしまいました。


――8月29日に「改革クラブ」が結成されました。そのなかで参議院の改革が一つのテーマになっていました。衆参ねじれ国会における「民主党の党利党略」と批判されていることに対するものなのでしょうか。


荒井◎参議院は第二院として「再考の府」「良識の府」という権威ある存在としてあるべきです。


 戦後間もない「憲法国会」で、秋田三一という貴族院議員が「日本国民は熱しやすく冷めやすい。この前まで大政翼賛会と言って戦争の道に走って、今は民主主義だと言っている。衆議院は暴走しやすい。解散の圧力に弱い。そこで、国民に冷や水をかけ、衆院の暴走を食い止めるための冷静なブレーキ役が参議院である」旨を言っています。


 だから参議院は任期も長く、解散はない。一人ひとりの良識が問われ、多くは無所属で当選してきました。院内会派「緑風会」の緑は、7色の虹の真ん中の色なのです。そういう理想があったのですが、当選するための現実によって政党化した。影響力を持ったのが労働組合であり業界団体で、高度成長時代に顕著になってきました。


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「改革クラブ」発足の記者会見(8月30日)


 その結果、参議院は衆議院と同じに、政党に牛耳られてしまいました。党利党略での国会運営が罷り通り、国民サイドに立っていない。「改革クラブ」では、党議拘束を一切行いません。政党の圧力に政治家が埋没しないようにします。参議院全体にその思想が広がれば、政治が大転換し日本は良く変わります。


 例えば、命をかけて国会で戦争に反対した斎藤隆夫、永井柳太郎などは早稲田の雄弁会の先輩ですが、そういう人たちに学び言霊(ことだま)が生きる、権力でなく権威の府、参議院にしなければならないのです。


 10数年前の政治改革では、衆議院の小選挙区制が実現しましたが、参議院の選挙制度をリンクして考えていなかった。「権威の府」にどう近づくべきかも忘れた。そのシワ寄せがいまの閉塞感を産んだ一つの原因になっている。衆議院は新たな中選挙区にすることですね。


 これまでの政治システムは、経済システムの追認の役割でした。すべてに経済が優先。経済優先社会の矛盾が、アメリカの暴落を招いている。今、人間本来の生き方や価値、地球温暖化のように自然との共生が問われています。今、猛省が必要です。市場原理主義一辺倒から、実体のある、汗が報われる社会経済システムに変えていかなければなりませんね。


――この10月15日と16日の参議院予算委員会での麻生首相に対する質疑は、その意味でも含蓄のあるのものでした。


荒井◎有難うございます。手前味噌になりますが、衆参予算委員会のNHKの視聴率は大抵1%の後半ですが、小泉さんの時は3.4%、福田さんの時は3.6%で今回は3.8%だったと聞きました。国会での発言は、言霊がみなさんに伝わるように、と思ってやっています。


 私は、国民一人ひとりの汗に報いる“草の根保守”を実現しようとしています。今の日本は、なぜ親が子を殺し、子が親を殺すのか。なぜいたるところでひずみやゆがみ、悲鳴が上がっているのでしょうか。私は、麻生首相に対して「小泉改革の光と影を認識するか」と問いました。首相は「認識します」と明確に答えた。その総括があって、はじめて次の展望が拓けるのです。期待したい。


 政治には、原因対策と結果対策があります。小泉改革の何が良くて何が悪いのかをちゃんと認識しなければ、ただ取り繕うだけの弥縫策(びほうさく)で問題は解決しない。原因がわからなければ同じことがまた起きる。結果対策は、対症療法でしかありません。


 そこで私は、「G8プラス新興国を入れたサミット」を提案しました。世界全体が市場、経済の暴走の中にある時、表面の結果対策をするのではなく、みんなが手を携えて一つの新しい価値観を共につくり上げ、お互いが助け合って生きてゆく社会経済システムを構築すべき“有事”なのです。日本が世界をリードしなければできません。その気概が欲しい。


――年金問題をはじめとして、いろいろと政治課題がありますが、自民党や民主党の対応はどうでしょうか。


荒井◎政府自民党は「年金宅急便」を出すといっていますが、これも原因対策にはなりません。私は4年前から『年金通帳』を提案しています。毎月入金を記録すると払い忘れや改ざんは起り得ません。1年間に17万2920円を納めると、その1.7倍の29万3964円受け取れ、国の負担は12万1044円になりますと、ひと目でわかる通帳を国と国民の契約書とする。それを手もとにおけば、いつでも確認できるので安心。


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『年金通帳』を説明する荒井参議院議員


 年金に対する信頼性が問われて久しく、あの不良債権問題では有効打を打った自民党の対応は遅い。残念です。民主党も年金の不備なところだけを言って危機を煽っているだけではダメ。小沢さんは、自民党の中では政権はとれないから、野党を巻き込んでその野望を実現しようとしているのでしょう。私欲です。


 私は何度もこの提言をしています。具体的な法案になる提案をしているわけです。政府は採用すべきです。


――『年金通帳』のほかに「公金検査請求・国民訴訟法案」のご提案をなさっていますね。


荒井◎これも提案してから3年になります。いま地方自治体では、訴えの利益がなくても損害賠償請求や不当利得返還請求が行えます(住民監査請求、住民訴訟制度)。しかし、道路特定財源によるマッサージチェアの購入や、社会保険庁職員による改ざん問題など跡を絶たない国費のムダ遣いや不正支出については、国民がこれを直接糾す仕組みがありません。これを早急につくるべきなのです。


 法案の骨子までつくった提案に麻生首相も、「国会で議論して欲しい」と一歩前進。国民主導になって初めて国民主役の行財政改革が行われるのですから、麻生首相も国会も賛同すべきでしょう。


――忙中閑ありですが、あいた時間はどう過ごされていますか。


荒井◎「絵手紙」ですね。心を伝えるにはいい方法です。岡倉天心の思いとそれを形にする横山大観の絵が好きです。日本のものに立脚した物の見方に共感してます。


 それから読書ですが、書店なんかでザーッと立ち読みして“今”を感じ取れる。音楽は、ヨー・ヨー・マのチェロがいいですね。


――ありがとうございました。


荒井広幸参議院議員のホームページ
http://www.arai-tv.jp/


2008年10月01日

鈴木 寛 “すずかんマニフェスト”で本物の政治改革をめざす政策マン

鈴木 寛参議院議員(民主党)


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すずき かん
1964年兵庫県生まれ。灘高校、東京大学法学部を卒業し、86年通商産業省
に入省。資源エネルギー庁勤務を皮切りに産業政策局、生活産業局、機械情報
産業局に勤務。同省情報処理振興課総括課長補佐、電子政策課総括課長補佐
などを歴任し99年通産省を退官。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス助教授に。
2001年第19回参議院議員通常選挙に民主党公認で東京選挙区当選。05年
前原誠司代表の「次の内閣」で文部科学大臣に。07年参議院選2度目の当選。
現在、参議院倫理・選挙対策委員長。




――9月24日に麻生太郎政権が誕生しましたが、印象はどうですか。


鈴木◎「選挙管理内閣」で、組閣してすぐ解散するわけですから実績を積むことのない内閣ということでしょう。


――福田首相が辞める時に民主党への恨み言を言っていましたが、“ねじれ国会”には大きな意味があったと思います。


鈴木◎多くの先進国では、大統領府もしくは首相府と議会がねじれているのはよくあることなのです。それを恨めしいというのは、国の指導者の資質としてまず問題があります。


 昨年“ねじれ”が生じて戦後60年で初めて国会が機能したのではないでしょうか。一昨年まで政府の提出した法案が何の修正もなされないまま議会を通過し続けてきました。そんな国は日本だけだと言っても過言ではありません。本来提出された法案を修正してより良いものにするために議会があるわけですからね。


 つまりいままで、国会は行政府のお墨付き機関になり下がっていたのが、ねじれ以降やっと国会が行政の提案に対し意思表明ができる本来の姿になったのです。


――そして自民党政府に対するチェック機能も働くようになりましたね。


鈴木◎議院内閣制で自民党が優位に立ち、60年も行政府を組織しているわけですから、いままでは政府をチェックのしようがありませんでした。


 だから年金のことでも、「ねじれ」がなければ絶対に明るみにならなかった。後期高齢者医療制度の問題も追及されることはなかった。2006年の時点では、強行採決されていろんなことが封印されてしまっていたのです。


 挙句の果てに、舛添大臣も「後期高齢者医療制度は廃止」という流れになってきている。舛添さんのような論理的な人は、後期高齢者医療制度に無理があることを白状せざるをえませんでした。


 政治がダイナミックに動き始めている。それが、現状だと思います。


――小沢民主党代表は「政権交代の最後の戦い」と檄を飛ばしています。決して最後と言うわけではないでしょうが、いよいよ決戦の時ですね。


鈴木◎九合目あたり、最終段階まできていることには変わりありません。百里を行くに九十里を半ばとすると言いますからね。これからの十里には、今までの倍のエネルギーが必要かと思います。


 昨日も、小沢代表が参議院の議員総会にいらして、政権交代で一致団結してみんながここまで結束しているのかと肌で感じました。


――鈴木先生は前原代表の時のネクストキャビネットで文部科学大臣に指名されています。教育問題への取り組みは、鈴木先生の政策課題の一つでもあります。学力の低下などの問題に対して教育政策をどのようにいたしますか。


鈴木◎仰るように2000年と比べて、子どもたちの学力は相当低下しています。塾にいけない家庭の子の学力が特に低下しています。学力にも親の経済格差問題が反映されてしまっています。また経済的問題だけでなく、片親だったりあるいはどちらかが外国出身で日本語があまり上手くない家庭の子女を、どれだけ政府・社会がサポートできるかも大きな問題です。


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文教科学委員会にて発言する鈴木議員


 そのために必要なことは大きく分けて二つあります。教育というのは教師の質と数。その充実が第一。もう一つは、日本の子どもの学力低下の一番の原因は、学ぶモチベーションの欠如です。そのためにコミュニティースクールが必要なのです。


 コミュニティースクールとは、地域住民・保護者、学校関係者が一緒になって学校の運営を進めていく制度です。地域の人々は、放課後の補習授業や校庭の手入れ・補修・スポーツ指導などを担い、教師は教師にしかできないことに集中する。それぞれが自分の能力を生かしながら教育現場を支えていく。そして多くの大人や学生が学校に出入りし生徒たちと縁ができることで斜めの関係ができて、あこがれの存在と出会い大好きな先輩などを見て、自分の人生もポジティブに考えるようになるのです。そういうことが学びのモチベーションとして非常に重要なのです。


――小沢新政権誕生の暁には、何が変わるのでしょうか。


鈴木◎大きく言えば「道路から命へ」ということです。公共事業や大企業に使われてきたものが、教育とか医療に使われるようになるということです。安心できる生活を営めるための生活第一の政策に予算が使われます。


 特に、役所のセクショナリズム、縦割り主義がこの20~30年の間予算の配分構造を決めてきました。一回手にした予算の枠は死んでも放さないということが、社会のニーズを無視してずっと続いてきたのです。いま現在、2008年、09年にこの国の人々が本当に必要としている優先順位で、予算を総組換えすることです。


 確かに30年前は道路建設が必要でした。しかし今は生活第一に優先順位は変わっているのです。


――暫定税率の即廃止、後期高齢者医療制度を含めた改革、農業者個別所得保証精度、子ども手当の創設、高速道路の無料化などが、民主党のマニフェストとして上がっています。これに対して、自民党などは財源をどうするのかという議論を投げかけていますが、どうなのでしょうか。


鈴木◎これも二つのポイントがあります。一般会計と特別会計の二つから捻出できるのです。それが212兆円あります。その1割ぐらいは無駄削減や効率的な活用で対応できるものなので、それをひとつひとつやっていくつもりです。


 自民党政権時代に始めた既存の事業については、4年後に今の費用の9割でやるようにします。4年で1割減というのは、毎年2~3%ぐらいを予算削減すればいいのです。それぐらいは民間企業では当たり前のことです。それすら出来ない役人なら、やってもらう必要はありません。出来る人を民間から起用すればいいのです。それができなかったのは、膠着した予算編成をやってきたからです。完全に思考停止状態だと言っても過言ではありません。ですから、政権交代して頭のフレッシュな人が政治をやらないとダメなのです。


 予算編成についても、まず官邸主導で概算確定を行います。それから8月末の各省庁の予算要求はやめます。これをやるからいろいろな要求が出てくるのです。新規政策については、各省庁がその確定した予算の枠内でブレークダウンして具体的中味を固め、そして今年は2%カット、3%カットと具体的に決めていくのです。例えば人件費や補助金などの費目ごとにこれだけ削りましょう、あるいは自分達が購入する物品調達をこれだけ削りましょうと、ザクッと目標を決めることです。机をもう1年使ったり、コピー用紙も裏まで使えばいいのです。


 補助金が212兆円のなかで45兆円を占めています。天下り団体が4700団体あり、2万7000人が天下っています。そこに12.6兆円の税金が毎年流れ込んでいるのです。これを削減する必要があります。そして、中央省庁も肩たたきをしないで60歳までちゃんと雇います。公務員を60歳まで雇いつづけると6000億円の費用がかかりますが、12.6兆円の半分がカットできれば6.3兆円。人件費を引いても、差し引き5兆7000億円のカットになるのです。そういうことを一つ一つ見ていけば、財源は何とかなるのです。最初から20兆円というのではなく、1年目は8兆円、2年目は14兆、3年目は14兆円、4年目に20兆円になればいいのです。


 前のマニフェストよりも時間軸をはっきりさせ、第一段階、第二段階、第三段階と三つに分けて、ステップバイステップで行っていくものです。そのための行程表をしっかり作っていけば財源的にもそれほど無理のあるものではないのです。


――ご自身も通産省のご出身ですが官僚が悪者になっています。役人というのは政治家によって変わるものなのでしょうか。


鈴木◎役人というのは役者と似ているのです。優秀な役人というのは優秀な役者と同じように、与えられて役を見事に演じるものなのです。成り切る能力が高いのです。例えば、財務省で予算をカットしていた優秀な人が、他の省庁に出向すればそこの予算を見事に取ってくるのです。早代わりするのです。したがってシナリオや、キャスティング次第でどうにでもなるのです。そのシナリオを書き、キャスティングを決めるのが政治の役割なのです。


 経済成長してきた20世紀のシナリオと現在では違って当然なのです。今は国民生活を大事にするシナリオが必要なのです。シナリオさえ変えれば役人は見事に変身しますよ。シナリオを変えられなかった自民党の荒廃が問題なのです。


――そういう意味で、鈴木先生のつくられている「すずかんマニフェスト」では、“ソーシャル・ヒューマン・サービス”ということで凝縮されているのですが、まさに現代の国民生活が求めている政治的要求ということなのですね。


鈴木◎人間の幸せが、20世紀は3Cで言い表されていたのです。クーラー、カラーテレビ、自家用車というようなものだったが、今は物が足りているのです。人間と人間のコミュニケーションが必要なのです。


 だから、よりよいコミュニケーションが行なえるよう、次世代を教育すること。それに、“衣食住”ではなく、医食住といっていますが、これが大事です。


――鈴木先生は、多趣味の人でもあります。高校生ではサッカー、またヨットとかスキューバダイビングなど、そして今は合唱などでもステージに出ていらっしゃる。


鈴木◎私はラテン系なので、歌とサッカーと海が好きですね。自然と触れ合うのが好きですね。今は教鞭とっており、学生との付き合いもありますし、NPOの活動を通じてのいろいろな出会いもあります。学生や若者と一緒にキャンプに行ったり海に行ったりしています。


 人間の幸せは、お金や物ではないのです。インドの経済思想家のアマルティア・センという人がいるのですが、彼が言っている「ケイパビリティー」という言葉がありますが、潜在能力という翼を若い人たちに与えることです。教育の本質はそこにあるのです。


――有難うございました。


鈴木寛参議院議員のホームページ
http://www.suzukan.net/