「整理回収機構(RCC)」による脅迫まがいの上申書
※前号のあらすじ
資金援助をした相手(大山氏)の経営破綻。資金回収のため、京都・何有(かいう)荘の名義人と宗教法人の代表役員になったことで詐欺事件の共犯者として逮捕された東城さんは起訴猶予処分で保釈されたが、その後、整理回収機構(RCC)の理不尽な対応に悩まされる。
東城さんは、書類(上申書)を返送して、ほっとした。大山氏とともに逮捕され、家庭や経営する会社が大変なことになっていたため、「これRCCの魔の手から逃れられる」と書類の返送後にそう思ったという。
東城さんが逮捕されたことがマスコミなどで報じられたことで、娘さんが嫁ぎ先と衝突。たくさんの荷物と幼な子をつれて、実家に帰ってきてしまった。また東城さんの会社が手掛けていた、地元の行政関係の環境事業も打ち切られる可能性を示唆されていたのだ。それゆえ、一刻も早く、事件やRCCとの関係を断ち切りたいとの「一念」で返送したのである。
その後、しばらくRCCからは何も連絡がなく、東城さんも周辺で特にかわった動きもなかったので、もう終わったことだと安心していた。しかし、心のどこかにひっかかりが途切れることはなかった。
「いやな予感がする」
と東城さんは、そう感じていた。それが、しばらくして的中した。
東城さんの書類が何有荘の競売や宗教法人の執行保全、解散命令などに使用されたという話を聞いたのだった。
「嘘の内容にサインをした上申書。執行保全や解散命令というのは裁判所が関係したものではないか。嘘なんだから、罪に問われたり、警察に逮捕されたりしないか」
そう不安に感じた、東城さんは、RCCに連絡をとった。東城さんがサインした書類には、こんな内容があった。
<平成14年11月20日(中略)
上申書は、私が提出したものではありませんし、上申書が提出されていたことすら知りません>
しかし、東城さんはRCCからその上申書を見せられたことなければ、そのような上申書が存在したのかも、明確な記憶がなかった。そこで、RCCに平成14年の書類の開示を求めたのだった。それは平成18年3月のことだった。
しかし、RCC、なぜか開示に応じない。そこで、7月に再度、開示を申し入れたが、RCCは東城さんになぜか、
「上司に相談せねば……」
というばかりで芳しい返事をしない。
「宗教法人の解散や競売で使ったのでは」
などという東城さんの質問にも、満足な回答をよこさないという不誠実な対応が続
いた。
交渉の末、やっと東城さんに平成14年の上申書が送られたきたのが、平成18年7月25日のことだった。
「一目見た瞬間、すぐに思い出しました。これは、宗教法人の弁護士さんから、確認してと見せてもらって了解をして、京都地裁民事部に宗教法人の代表役員として提出したのです」
と東城さんは言う。RCCの指示で東城さんがサインした上申書のほうが「嘘」なのである。
また、RCCが東城さんにサインを求めた上申書を検討してみた。東城さんが代表役員に就任、辞任を繰り返した経緯について、記されているところがあった。
<私が承諾していないことで、大山進が無断で申請したものと思います>
また、宗教法人の実印を大山氏が保管し、印鑑を自由に使用、相談もなく宗教法人の名前で何有荘の登記をしていたという内容も書かれていた。
「実印は私が三重県に住んでいるので、緊急事態に対応ができないと、大山氏の親族に預けていた。大山氏が自由に使えたかどうかなど知りません。無断で私の辞任、就任を申請しかたどうかも知らない。三重県と京都府とはなれているので、その確認すらできない。宗教法人の必要な会合には出席し、重要事項は会合で決めていました。RCCが作成し、私がサインした上申書は、限りなく不正確であることがわかりました」(東城さん)
しかし、もうすでに宗教法人、大日本法華経寺には京都地裁から解散命令が出されていた。何有荘も、RCCが京都地裁に競売を申し立てていた。
「脅迫まがいに、上申書を書かされなければ私はサインしなかった。その時に平成14年の上申書を見せてもらえれば、少なくともそのものについては、私が了承していたことがわかった。なぜRCCは拒否したのでしょうか。私はサインした上申書の返却を求めています。しかし、今ところRCCから色好い返答はありません。私にもミスがあるとはいえ、やはり、嘘をついたままではまた、逮捕されるのかと心配でならない。そこで、私の潔白を証明するために、脅して上申書を書かせた飯田氏と入船氏を刑事告訴することにしたのです」(東城さん)
とRCCは脅してサインさせた、嘘の上申書をもって、さまざまな法的手続きを行い、競売まで完了させた。競売の落札金額は約25億円。払い込みも完了したという。
国策会社に許されざる行為である。
※株式会社 整理回収機構(RCC)
平成8年、住宅金融債権管理機構として発足。預金保険機構が100%の株式を保有するため、「国策会社」と呼ばれる。その後、組織改編を経て、整理回収機構となる。中坊公平氏は初代社長。中小企業に対しての過酷な債権回収で批判が集中。また、中坊氏は破綻した会社の債権回収の件で東京地検特捜部へ詐欺罪で告発されたが、弁護士を廃業することで起訴猶予処分となった。現在3代目社長、奥野善彦氏も弁護士。業績が芳しくないこと、産業再生機構の新設などで役割、存在意義が問われている。(The Resolution and Collection Corporation)
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