これも「偽」! 損失穴埋め2750億円が必要なRCCは民間企業なら倒産会社
2007年のことであるが、毎年恒例となっている京都・清水寺で発表されるその年の世相を表す漢字は「偽」が選ばれた。
ミートホープの偽装肉にはじまり、北海道を代表するみやげ品の白い恋人、伊勢参りに欠かせない赤福餅、老舗の料亭船場吉兆と「偽」があとをたたなかった。
それは、政治の世界でも同じ。政治とカネの問題、年金、民主党の小沢代表は「辞める」と言いながら、撤回。
何が本当なのか、信じられなかった。
整理回収機構、RCCにも「偽」という文字がぴったりなように思えてならないのは、私だけだろうか。
本誌でも、報じた、栃木県・川治温泉の老舗旅館「柏屋ホテル」でのRCCの醜態。
「破産管財人が来たのではなく、RCCが破産管財人を連れてくるように」(柏屋ホテルの運営会社、湯けむりの里柏屋社長・平田正春さん)
突然に乗り込んできたRCC。
おまけに、老舗旅館にいきなり、宿泊させるように命じて、料理を用意させ、一人1万円の特別料金で宿泊。正規料金の1万6950円から見ると、6950円を「踏み倒した」のである。
その後も、破産管財人の補助者と称する人物が旅館に居すわった。料金はまとめて払うというのだが、
「入湯税という税金があります。料金をなかなか払ってくれないので、こちらが建て替えて支払っていた」(平田さん)
管財人の補助者というが、実態はRCCの他ならない。管財人は、
「RCCから頼まれたから、やっている。どんなスキームかよくわからない」
というばかり。要するに、RCCの「傀儡(かいらい)」のための弁護士である。本来なら、高度の中立性、独立性が強く要求される管財人を意のままに操ろうとしていたのだ。
なんと、それは裁判官も同じであった。
柏屋ホテルの破産手続きが宇都宮地裁であった時のこと。通常3人であるはずの裁判官が4人もいたのである。裁判官の席から1段下のところで座っていたのは、宇都宮地裁の園尾隆司所長。
破産法に関する著書があり、国会でも破産法について法務省を代表して答弁したことかある「ミスター破産法」ような人物だ。
「RCCと交渉している時に、裁判所がもう仕事を終わっているような、夜7時くらいの時間に電話するんですよ。それで、裁判所といろいろと打ち合わせをしている。その人物が園尾さんだったのではないか」(平田さん)
裁判所の代表電話は、午後7時という時間には繋がらないのが一般的。特別な電話番号を事前に入手していたということだ。
そして、問題の破産手続きの法廷でも、園尾氏は20分間も質問をするなど、審問に参加しているのだ。それに不満を抱いた弁護士が問い合わせると「書記官の補助」という名目だったという。
裁判所のトップである所長が、書記官を補助するようなことは絶対にあり得ない。RCCの意向がどれほど反映されていたのか、不明であるが、国家権力とRCCの「癒着」を象徴するような場面であった。
本来の住専処理の役割を十分に認識せず、ブレーキもかけずに爆走するRCC。それは初代社長である中坊公平氏の身勝手さとウリ二つである。
中坊氏は07年4月に大阪弁護士会に、再入会を求める申請を出した。その理由として<使い慣れた事務所の机に座りたい>
という意味不明な説明をしているのだ。
中坊氏がRCCを退いたのは、大阪府堺市の土地取引を巡って「詐欺」だと告発され、「起訴猶予」という結論が出たことだ。「起訴猶予」とは、犯罪事実はあるが起訴するに当たらないというもの。しかし、
<潔白だ>
と中坊氏は主張し、復帰をもくろんだ。
まさにこれも「偽」である。
弁護士で執行役員の古川史高氏が、債務者の会社社長と一緒に海外旅行に出掛け、その後に111億円の債務免除されていた。古川氏は厳重注意処分を受けると同時に辞任届を提出。なんと、20%は減額されとはいえ、退職金を支給されているのだ。
それでも、なんとか「偽」をごまかし続けたRCC。しかし、いよいよ危なくなってきた。

RCCの債権回収で国が税金投入で穴埋めしなければならないことになる損失が2750億円あることが、会計検査院の調査で判明したのである。
中坊氏がRCC社長に就任した時に語った言葉は有名だ。
「国民に二次負担をかけない」
住専処理のために6850億円の税金を投入したからである。いわば「公約」のような形で訴えた中坊氏。その「公約」に異を唱えた社長はいない。ずっと継続されていたのである。
1996年に制定された住専特別措置法。RCCは、旧住専処理で、こげついた借金の補填のために税金を投入した。回収できるものは、RCCが買い取って売却して、穴埋めしてゆく。売却価格が下がると、損失が生じるのだ。
会計検査院の調べでは、すでに2002年の段階でRCCが負担しなければならない損失が450億円、生じていた。現在では、2750億円にふくらんでいるいう。
「だから、早くRCCはつぶさないといけません。前にも、言ったように、今、新しいサービサー法の制定に必死なのです。その前にRCCを潰さないと、今まで以上に食い物にされてしまいます」
と民主党の前田雄吉衆議院議員は言う。
こんな大借金を抱えながら、温泉にひたりごちそうを食べ、酒を酌み交わすRCC。これが「本性」。
これまで、本誌では幾度もRCCを追求してきた。しかし、改まる気配は皆無だ。「偽」を続けず、一刻も早く退場するのが、国民のためである。





