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2007年12月28日

これも「偽」! 損失穴埋め2750億円が必要なRCCは民間企業なら倒産会社

 2007年のことであるが、毎年恒例となっている京都・清水寺で発表されるその年の世相を表す漢字は「偽」が選ばれた。


 ミートホープの偽装肉にはじまり、北海道を代表するみやげ品の白い恋人、伊勢参りに欠かせない赤福餅、老舗の料亭船場吉兆と「偽」があとをたたなかった。


 それは、政治の世界でも同じ。政治とカネの問題、年金、民主党の小沢代表は「辞める」と言いながら、撤回。


 何が本当なのか、信じられなかった。


 整理回収機構、RCCにも「偽」という文字がぴったりなように思えてならないのは、私だけだろうか。


 本誌でも、報じた、栃木県・川治温泉の老舗旅館「柏屋ホテル」でのRCCの醜態。


「破産管財人が来たのではなく、RCCが破産管財人を連れてくるように」(柏屋ホテルの運営会社、湯けむりの里柏屋社長・平田正春さん)


 突然に乗り込んできたRCC。


 おまけに、老舗旅館にいきなり、宿泊させるように命じて、料理を用意させ、一人1万円の特別料金で宿泊。正規料金の1万6950円から見ると、6950円を「踏み倒した」のである。


 その後も、破産管財人の補助者と称する人物が旅館に居すわった。料金はまとめて払うというのだが、


「入湯税という税金があります。料金をなかなか払ってくれないので、こちらが建て替えて支払っていた」(平田さん)


 管財人の補助者というが、実態はRCCの他ならない。管財人は、


「RCCから頼まれたから、やっている。どんなスキームかよくわからない」


 というばかり。要するに、RCCの「傀儡(かいらい)」のための弁護士である。本来なら、高度の中立性、独立性が強く要求される管財人を意のままに操ろうとしていたのだ。


 なんと、それは裁判官も同じであった。


 柏屋ホテルの破産手続きが宇都宮地裁であった時のこと。通常3人であるはずの裁判官が4人もいたのである。裁判官の席から1段下のところで座っていたのは、宇都宮地裁の園尾隆司所長。


 破産法に関する著書があり、国会でも破産法について法務省を代表して答弁したことかある「ミスター破産法」ような人物だ。


「RCCと交渉している時に、裁判所がもう仕事を終わっているような、夜7時くらいの時間に電話するんですよ。それで、裁判所といろいろと打ち合わせをしている。その人物が園尾さんだったのではないか」(平田さん)


 裁判所の代表電話は、午後7時という時間には繋がらないのが一般的。特別な電話番号を事前に入手していたということだ。


 そして、問題の破産手続きの法廷でも、園尾氏は20分間も質問をするなど、審問に参加しているのだ。それに不満を抱いた弁護士が問い合わせると「書記官の補助」という名目だったという。


 裁判所のトップである所長が、書記官を補助するようなことは絶対にあり得ない。RCCの意向がどれほど反映されていたのか、不明であるが、国家権力とRCCの「癒着」を象徴するような場面であった。


 本来の住専処理の役割を十分に認識せず、ブレーキもかけずに爆走するRCC。それは初代社長である中坊公平氏の身勝手さとウリ二つである。


 中坊氏は07年4月に大阪弁護士会に、再入会を求める申請を出した。その理由として<使い慣れた事務所の机に座りたい>


 という意味不明な説明をしているのだ。


 中坊氏がRCCを退いたのは、大阪府堺市の土地取引を巡って「詐欺」だと告発され、「起訴猶予」という結論が出たことだ。「起訴猶予」とは、犯罪事実はあるが起訴するに当たらないというもの。しかし、


<潔白だ>


 と中坊氏は主張し、復帰をもくろんだ。


 まさにこれも「偽」である。


 弁護士で執行役員の古川史高氏が、債務者の会社社長と一緒に海外旅行に出掛け、その後に111億円の債務免除されていた。古川氏は厳重注意処分を受けると同時に辞任届を提出。なんと、20%は減額されとはいえ、退職金を支給されているのだ。


 それでも、なんとか「偽」をごまかし続けたRCC。しかし、いよいよ危なくなってきた。


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 RCCの債権回収で国が税金投入で穴埋めしなければならないことになる損失が2750億円あることが、会計検査院の調査で判明したのである。


 中坊氏がRCC社長に就任した時に語った言葉は有名だ。


「国民に二次負担をかけない」


 住専処理のために6850億円の税金を投入したからである。いわば「公約」のような形で訴えた中坊氏。その「公約」に異を唱えた社長はいない。ずっと継続されていたのである。


 1996年に制定された住専特別措置法。RCCは、旧住専処理で、こげついた借金の補填のために税金を投入した。回収できるものは、RCCが買い取って売却して、穴埋めしてゆく。売却価格が下がると、損失が生じるのだ。


 会計検査院の調べでは、すでに2002年の段階でRCCが負担しなければならない損失が450億円、生じていた。現在では、2750億円にふくらんでいるいう。


「だから、早くRCCはつぶさないといけません。前にも、言ったように、今、新しいサービサー法の制定に必死なのです。その前にRCCを潰さないと、今まで以上に食い物にされてしまいます」


 と民主党の前田雄吉衆議院議員は言う。


 こんな大借金を抱えながら、温泉にひたりごちそうを食べ、酒を酌み交わすRCC。これが「本性」。


 これまで、本誌では幾度もRCCを追求してきた。しかし、改まる気配は皆無だ。「偽」を続けず、一刻も早く退場するのが、国民のためである。

2007年12月03日

取り扱い債権の拡大でさらなる悲劇を生む「サービサー法改正」の危険性

 11月10日、東京都内で「金融サービサー法改正問題シンポジウム」という会合が開かれた。会場には、全国からサービサーに泣かされ、人生を狂わされたという人々が続々と詰めかけた。


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 RCCをはじめ、サービサーの回収、取り立ての中での「被害」が続々と報告される。
 
 
 貸した、借りたの「返済」に関するものから「創業者一族だから、返済しろ」

 などと、法的根拠がないにもかかわらず、返済を要求されたり、無茶な取り立てに、

「サービサーの取り立てで、私は倒れる、母は心臓にペースメーカーを余儀なくされました」

 とサービサーの要求に命をも削られてしまうような悲惨な現状の訴えがあった。


 自民党で債権管理回収業に関する特別措置法(以下、サービサー法)にかかわったことのある議員によれば、

「サラ金や商工ローンなどの悲劇を繰り返さないという過去の反省が、サービサー法の成立につながっている」

 と背景を説明する。しかし、今、そのサービサー法で、新たな「悲劇」を生んでいるのが現実である。


 法務省と印刷された封筒から取り出された<サービサー法の一部を改正する法律案>と印字されている、カラフルなプリントが手元にある。


 現在あるサービサー法の一部を改正するという議員立法の概要である。


「これを見て感じたのは、またRCCが勢力を拡大するということです」

 と話すのは、民主党の前田雄吉衆議院議員である。


 改正サービサー法の案で、一番の目玉となっているのが、取扱債権の拡大。サービサーがこれまで回収できないとされた債権が、回収できるようになるのだ。ようするに、サービサーのマーケットが広がり、儲かる仕組みなのだ。


 以前にも書いたが、すでに携帯電話の滞納した料金を回収しているサービサーがある。そのうち、税金、年金果ては学校給食、修学旅行費などの滞納をサービサーが回収する日も遠くないとみられるのだ。


 これまで、サービサーは役員に弁護士を入れる、資本金は5億円以上など、設立に高いハードルが課せられていた。取扱債権についても、弁護士でなければ手が出せないという範囲もあった。


「消費者保護と暴力団排除」(前出・自民党議員)

 そのハードルがより低くなるのだ。


 そこには、法務省はじめ役人の「魂胆」が見え隠れする。


 金融サービサー全国協会という、サービサーの会社が集まった業界団体がある。この団体に、法的な裏付けをもたせるという。小泉総理時代は「民間でできることは民間で特殊法人廃止」という政策が打ち出され、特殊法人は次々と統合、廃止されたのは、記憶に新しい。しかし、サービサーの業界団体に、廃止統合されたはずの「法人格」をもたせようとするのある。


「業界団体に法人格を与えれば、どんなことが起こるのかはこれまでの歴史ではっきりしています。天下りです。サービサーの監督官庁は法務省。おそらく、天下りがどんどん出るでしょう。法務省だけでなく、金融庁など関連する役所も同じ。天下りが次々と出ればサービサーの取扱債権の範囲はますます拡大の一方。親戚から借りた1万円、小学校の給食費まで、サービサーが回収に乗り出すという日がやってくる」

 と前田議員は話す。


 改正サービサー法では、サービサーに有利な点ばかりが目立ち、国民の視点で見れば、改正しても、メリットが感じられない。


 これまで、本誌で何度も取り上げたように、サービサーは債権をいくらで買ったのかまったく公表する義務がない。また、サービサーや金融機関同士で、債権譲渡をしても債務者にはまったく通知する義務もない。消費者保護の観点からすれば見直してほしい点にはまったく触れられていないのだ。


「サラ金被害が叫ばれます。サラ金は利息制限法などで、規制がある。しかし、サービサーは1円で買った債権でも、1億円、10億円と債権さえあればいくらでも請求できるのです。本人が払えないと連帯保証人、法的に関係ないのに創業者や親兄弟にまで返済を求める。国民生活がおびやかされるような点については、まったく触れられず、サービサーの利益ばかり追求できる改正になっている」 

 と厳しく指摘するのは、サービサー問題に詳しい椎名麻紗枝弁護士。


 改正サービサー法は現在、自民党の法務部会でも検討され、10月に法律案として了承された。


「国会にも出され、成立するのは時間の問題でしょう」(前出・自民党議員)


 その結果、一番得をするのは、

「国が株主のサービサーRCCが、業界で強い発言力を持つ。そこに、法律でより権限が増強され、業界団体も強くなる。RCCを中心としたピラミッドが形勢されるばかり」

 と前田議員。


 サービサーによる悲劇が、より拡大しないことを祈るばかりだ。