RCCトップイメージ

« 2007年12月 | トップへ戻る | 2008年03月 »

2008年02月01日

本誌が追及してきた鬼追元日弁連会長・元RCC社長の「非行」(=双方代理)がやっと議決

 2008年1月20日、朝日新聞の社会面トップに元日本弁護士連合会会長、元整理回収機構(以下RCC)社長の鬼追明夫氏の名前が踊っていた。


RCCkiji.jpg
朝日新聞紙面(東京版第1面)


「回収機構社長当時 債務者から顧問料」


 という大きな見出しに、鬼追氏の顔写真も入っている。


 これまで、『デイリータイムズ』が先頭を切って追及してきた、鬼追氏の「双方代理」の問題で大きな進展があった。兵庫県在住の廣畑幸治氏が大阪弁護士会に対して請求していた鬼追氏への懲戒申立。


 2007年12月11日、大阪弁護士会綱紀委員会は「弁護士の品位を失うべき非行にあたる」との理由で「懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当とする」という議決を下したのである。


 ここで、もう一度、鬼追氏の「双方代理」の問題をおさらいしておく。


 鬼追氏は平成5年9月から、枚方市のT社の顧問弁護士。T社は旧住専の債務者だった。鬼追氏は、平成11年8月から平成16年3月まで、RCCの社長を務めていた。T社は、鬼追氏が社長在任中も月額10万円の顧問料を払いつづけていた。


 T社は、債務についてかねてからRCCと話し合っていた。だが、なかなか合意点が見いだせず、難航していた。そして平成15年春ごろから、交渉が決裂する様相を見せていた。同年12月20日、T社が、顧問弁護士でRCCの社長の立場にあった鬼追氏に相談を持ちかけたところ、


「社長宛てにクレームを書いて送れば、私が目を通せるから」


 などと進言。T社は、その通りにRCCに手紙を送ったというのだ。


 本誌では、鬼追氏がRCCの社長でありながら債務者の顧問弁護士を続け、かつ相談に乗りアドバイスしたこと。月々10万円の顧問料を受け取っていたことが問題ではないかと、追及したのだった。


 廣畑氏宛てに送付された議決書を読むと、鬼追氏は、


<T社の顧問弁護士として(M弁護士と共同で委託を受けた)現在まで月額10万円の顧問料を受け取っていたことはいずれも認める>


<T社は、旧住専の債務者であり、T社の債務に住管機構(RCCの前身)を経てRCCに移管された>


<平成15年12月20日、対象会員(鬼追氏)はT社の社長他2名とH弁護士同席の上で、なにわ共同法律事務所で面談したことがある。(中略)T社の不満、苦情を書面にして送付すれば、RCCにおいて改めるべき改めることになろうと話した>


 など、議決書の<対象会員の弁明>ではっきりと認めている。本誌の追及した事実関係は正しかったのだ。


 議決書では、RCCの社長時代にRCCや債務者のT社の同意があったのかどうかが、弁護士基本規定の観点から、問題があるのではないかと指摘。鬼追氏が<RCCの同意を得ていなかったことは明らかである>。


 そして、平成15年12月20日にT社の相談を受けたことで、RCCとの対立を把握した鬼追氏が、


<RCCの相手方債務者であるT社から法律顧問料を受け取って法律顧問契約を継続していたことは、利益相反における実質的な利害対立の状況にあったものと認められる>


 として、


<RCCの同意(取締役会議決)を経ることなく、法律顧問契約を解消することもなく、法律顧問契約を継続して月額10万円の法律顧問料を受領し続けたことは、弁護士職務基本規定27条3号(弁護士倫理26条4号)に違反し、弁護士の品位を失うべき非行に該当するというべきである>


 と議決を結論を述べているのだ。


 廣畑氏が懲戒請求したのは、平成18年2月。いっこうに結果が届かずこれまで何度も早く結論を出すように求めていた。それでも、大阪弁護士会からなしのつぶてだったので、本誌既報通り、日本弁護士連合会にまで申し出、日弁連からも大阪弁護士会宛に速やかに処置をするようにとの指示があった。


 廣畑氏は、平成18年6月に大阪弁護士会で、請求者として事情を聞かれた。議決書を見ると、鬼追氏に話を聞いたのはなんと平成19年8月とされている。廣畑氏の請求は1年以上も放置されていたのだ。


 こうした状況の中で、RCCの回収額が減ったとなれば、鬼追氏は国策会社RCC、つまり国民に対して損害を与えたことになる。


 議決書を読むと、全面的に廣畑氏の主張が認められている訳ではない。債務を回収するRCCの社長と債務者の関係については、


<顧問料を受領していたことは、個々の事件毎に利益相反を考える限り、利益相反行為には該当しない>


 と首をひねりたくなる記載もある。本当に厳格な審査ができるのだろうか。


oosakabenngosikai.jpg
大阪弁護士会


「正直、中坊氏がいない中、大阪弁護士会の首領(ドン)の一人。綱紀委員会もなかなか結論を出しにくかったという話が漏れ伝わってきます。その中でよく出した議決です。議決の元になるのは、弁護士職務基本規定。それと照らし合わせて、非行があるかないかを調べるのです。だから、普通の法律ではこうだという、ことにはならない。請求者には不満はあるのも理解できます」


 と、かつて大阪弁護士会で綱紀委員会に所属したことがある弁護士はこう内情を打ち明けた。


 本誌がかつて追及した、中坊公平元RCC社長の時にも、綱紀委員会では「非行」だと議決された。しかし、懲戒委員会では、なぜか「除斥期間」、すなわち「時効」を理由に中坊氏は「非行」を犯していたにもかかわらず「無罪」とされ、世間から非難を浴びた。その後、また中坊氏は「弁護士に復帰したい」と登録を申請するという、あきれる行動をとった。


 大阪弁護士会に弁護士としての「正義」が本当にあるなら、毅然とした判断を下してほしいものである。