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2008年05月01日

コスト意識ゼロの国策会社RCCの不思議な取り立て

 これまで、前号を含めて3度にわたって東海地方の不動産会社のAさんと整理回収機構(以下RCC)との係争を取り上げてきた。


「まだまだ、RCCとの交渉は続きそうですが、世間の非常識がRCCの常識という格言があるような気がしてならない」


 とAさんは、ため息をつきながら話す。


 Aさんの父親は、自宅の蔵には趣味の骨董品を多数、所蔵していた。


 陶磁器、掛け軸、絵画など400点ほどの骨董品が父親が死亡した時にも残されていたという。なかには、かなり高価な骨董品も含まれている。


 RCCは、Aさんへの債権回収の過程でこれらの骨董品も「価値ある動産」として仮差押えの手続きをとった。Aさんが父親から骨董品を相続したという情報があったからだ。 だが、骨董品には不動産のような登記制度はなく、誰がいつ誰から相続したという情報は公開されない。だが、RCCはなぜかAさんが相続していたことを知っていた。


 Aさんは非常に疑問に感じた。


「相続が私に決まったのは、税務署の人と話をして、価値あるものだから誰かが相続しなければという話になった。そこで、私が相続したのです。しかし、父親の相続をしているのは私だけでなく、母親などもいる。最初から私が相続しているという前提でRCCは話をしてきました」


 RCCには、警察、検察、裁判所、国税、銀行など役所、民間を問わずさまざまなところから人材が派遣されている。そこで、Aさんの頭に思い浮かんだのが国税。


「そんな筋から、情報が漏洩されたんでしょうね」


 とAさんは憤慨する。


 だが、事実、Aさんが相続しているため、RCCは動産を仮差押えした。その際に「協議書」をお互いが合意のもとに作成した。といっても、RCCが主導したもの。Aさんはサインしただけだ。


 そのなかに、骨董品の総数が約300点という内容が記されている。しかし、事前に骨董品の調査をした時には、現況報告書が作成されていた。そこに書かれているのは、総数が400点。100点がRCCとの「協議書」では突然行方が「消えて」しまった。


「100点はたいした価値がないから、消えてしまったのでしょうか。理由はまったくわかりません」


 とAさんも首をひねる。


RCChonsha.jpg
RCC本社の入る東京・日本橋中央ビル


 RCCは、動産の仮差押えのために投じた供託金は5億4000万円。だが、動産を鑑定した評価金額は、8000万円。その回収のために5億4000万円を積み、1年以上もそのままになっているのだ。


「鑑定が100%かとは断言できない。しかし、父親の残した骨董品ですから、ある程度は私もわかります。どう考えても5億4000万円になりません」(Aさん)


 国策会社、RCC。


 5億4000万円の原資は、国民の税金である。親方日の丸、コストという意識はどこにもないようだ。