やっと結論が出た鬼追日弁連元会長(RCC元社長)の懲戒処分(下)
整理回収機構(以下RCC)元社長で日本弁護士連合会元会長の鬼追明夫氏の「双方代理」問題に伴う懲戒請求は、『デイリータイムズ』前号(10月1日発信)でもお伝えしたようにやっと「戒告」という議決がなされた。
懲戒請求に当たっては、弁護士法25条の「利害相反する事件については、その職務を行ってはならない」という項目に抵触していると指摘した。
判断については、まず議決書はRCCに関しては、
<法律によって設立された国策会社である。この点において、営利追求を目的とする一般の私企業とはその性質を異にしている>
<社会性、公共性が強く、それだけに業務の遂行に当たっては厳正かつ公正な処理が強く求められている>
との前提を述べている。
そして、弁護士資格を有しながらRCCのトップになったということが、<RCCの不良債権回収業務について受任した関係に立つ>とされている。つまり、鬼追氏は社長になった時点で、ある意味RCCの不良債権回収すべてにおいて受任したともいう解釈が成り立つのだ。
その後、平成15年12月20日に鬼追氏とT社は面会。その時に当時の社長N氏は、鬼追氏にRCCの不満を述べた。そして鬼追氏は、
「社長直轄の苦情相談室がある」
とN氏に説明した。議決書ではこれは助言ではないというが、その直後にN氏は苦情相談室に手紙を送っている。これが助言でなければ何か。おまけに、苦情相談室は鬼追氏自らが、
「社長直轄」
としているのだ。
平成15年12月の面会後は、RCCとT社で問題が生じていることを認識した鬼追氏。
<対象会員が、RCCの相手方債務者であるT社から引き続き顧問契約をして顧問料を受け取るについては、旧弁護士倫理26条4号についても同条の但書によって『受任している事件の依頼者』であるRCCの同意が必要>とRCCの同意が必要にもかかわらず、とっていなかった。
鬼追氏は「T社の同意があったからRCCの同意は不要」と主張した。
だが「私もRCCの役員就任時には、顧問先を見てみました。RCCと関係があればやめるか同意をもらわなければならないと思ったからです。そうしたのは、RCCに債務者の顧問はできないという規定があるから。もし、例外的に利害相反がない場合はRCCとしては顧問先の同意を求めるように決めている」とRCCの広報担当取締役だった山川氏は、そう説明していたのだ。
鬼追氏はRCCが作った規則を社長自らが破ったと公言しているのだ。これが、社長の真の姿とはあいた口がふさがらない。

鬼追明夫前RCC社長
そして最終的な判断では、顧問契約の受領については、弁護士倫理26条4号には反しないとしている。だが、RCCとT社の紛争を知った後は、RCCの同意が必要だったと、議決書は判断を下しているのである。
<RCCが対社会的にも厳正、公正な不良債権処理業務等を果たすべきことが強く要請されていることからすれば、社会的に見ればその職務執行に疑念を抱かせるもの(中略)対象会員の行為は、弁護士法25条3号および旧弁護士倫理26条4号の規定に違背するものであると言わざるを得ない>
<対象会員の行為は、弁護士法56条に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する>
と結論づけたのだ。
しかし、鬼追氏の代理人は、
<T社から顧問契約解消の申し出はなかった>
などと責任転嫁するような理由を持ち出した上で、平成15年12月にT社側との会談でも、
<指示はしていない>
<T社が回収業務に不満を持ったからといって、利害対立が顕在化したことにならない>
と信じられない抗弁をしている。
そして、重ねて
<T社の同意があり、適用されない。(中略)とうてい理解できない>
と弁護士法の適用される事案ではないというのだ。
だが、先にも述べたように、同意をとるようにという規定がRCCでもある。にもかかわらず、とっていない。RCCというのは国策会社だ。その規定を破るというのは、ある意味「違法行為」である。
長くいろいろ書いてきたが、借金を回収する側と回収される側、両方の代理人であることが、おかしいと私は主張してきた。
ましてや鬼追氏は弁護士であり国策会社の社長という立場にあるのだ。
議決書にもあるように、
<弁護士としての職務執行の公正に疑いを抱かしめるような行動を取らないことが格別に求められる>
のである。
大阪弁護士会の判断には納得できない点もあるが、ある意味、一般市民の視点がある内容だ。だが、鬼追氏は日弁連への不服申し立て請求を行うことまで示唆している。
そんなことをしている場合か。まず、土下座して国民に「戒告処分」と判断されるような疑惑ある行為をしていたことを詫びるべきだ。それは、こんな人物を社長にしていたRCCにも言えることだ。猛省すべきである。






