「RCCは嘘ばっかり」と怒る和田アキ子の叔父
「こんなウソばっかり書いて、人を罪に陥れる。RCCというところは、金の回収なら手段を選ばない。人を犯罪者、ヤクザにまで仕立てるところです」
と語るのは、和田忠浩氏。
この名前に聞き覚えがある人も少なくないだろう。人気マンガ「ミナミの帝王」のモデルと噂されたり、歌手の和田アキ子の叔父さんとも言われる人物だ。
「ミナミの帝王のモデルなんて、全然、関係おまへんで。和田アキ子はワシの和田をとって歌手デビューしたんですわ。まあ、そんな話は関係なくて、腹が立つのは、RCCですわ」
と話す和田氏。確かに、大阪では知られる貸金業者ではあった。
大阪・日本橋交差点近くで「タツミ」という屋号で1964年ころから、貸金業を営んできた。
「両親が韓国からやって来て、鶴橋に住んでいました。戦争もあって大変な時代。子供の時から自分の力で食べていかなければアカンという社会情勢。自分の知恵をしぼって金儲けしてきましたんや。ワシのことを新聞で、大物貸金業者なんて書かれますが、貸金業の免許も今は持ってません。口コミでお金を借りにくる人に貸していただけ。借金取りにすらよう行かず、どれだけ踏み倒されたことやら、わかりまへんわ」
という和田氏。

RCC本社の入る東京・日本橋中央ビル
整理回収機構(RCC)に債務ができたのは、和田氏のメインバンクだった信用組合関西興銀の破綻だった。昭和30年に在日韓国人社会の求めで誕生した関西興銀(当初は大阪興銀=平成5年神戸、滋賀、奈良、和歌山各商銀と合併して関西興銀に)。だが、2002年に経営破綻。和田氏は関西興銀でトップの優良顧客だった。最高で300億円の預金をしていたこともあったという。
「ワシが関西興銀で一番の上客ですわ。あちこちの支店に億単位で預金していた。ある時、関西興銀から持ち込まれて、ヤマキという会社に30億円の迂回融資を懇願されたんです。関西興銀の経営トップは、ワシと子供の頃からの知り合い。普通なら断るのですが、仕方ないと応じたのです。当然、迂回融資の金額以上の預金があり、万が一の時も、まったく大丈夫だと思っていた」
と和田氏は振り返り、
「これを見てな」
と書類を取り出した。
<暴力団関係者らによる当社申立競売物件に対する威力業務妨害及び強要容疑事案の概要及び調査結果について>
というタイトルが記された書類。日付は、2003年6月30日。宛て先は<大阪特別対策部部長>になっている。RCCの内部文書である。
そこに、和田氏のプロフィールが
<元小田秀組舎弟、現在山健組生島組企業舎弟、和田アキ子養父>
などと記されている。
「まず、ワシはヤクザになったことがありません。小田秀組っていうのはワシの生まれた鶴橋に組がありました。子供の頃の友達がその組に入ったとか、そんな話はあるけどもワシは全然、入ったことありません。生島組の企業舎弟やなんて、全然、関係おまへん。知らんのですから」
と和田氏は訴える。
だが、前述の書類には、
<元々小田秀組員であった和田忠浩は(中略)生島組とは、持ちつもたれつの関係と噂されているものである。生島組事務所が所在するビルの2軒隣が和田会長の務めるタツミの部屋であり近接(中略)和田は生島組の企業舎弟的存在にあることが伺える>
<和田忠浩の代理人と名乗る、自称暴力団5代目山口組3代目生島組組員と称する2名が大阪市北区のホテルロビー喫茶店にA氏を呼び出し、『和田忠浩の代理で来た。お前にはどこの組が付いてんや、嫁さん子供大事にせいや俺らに挑戦するんか』等と語気強く申し向け、要求に応じなければ生命身体にいかなる危害を加えかねない気勢を示して脅迫>
和田氏と暴力団がより親密な関係で、共謀しているような記載がなされている。
「ワシはホンマに暴力団やない。生島組とかもよう知らんのです。ただ、金を貸した相手が暴力団というケースはあったかもしれませんわ。たいてい、金を借りに来る人は外見、みんな紳士、普通の人。金を借りにきた人に『アンタ、ヤクザか』と尋ねる訳にもいきませんわな」
だが、和田氏はこんな書類がきっかけになり、2006年9月に競争入札妨害で逮捕されるのだ。また、RCCは和田氏からの債権回収にあたって、2005年に破産を申請し認められた。
「破産のときにも、前述の書類と同じような内容が裁判所に提示されている」
と和田氏は怒る。
RCCが大阪地裁で破産手続きのために提出した書類には、和田氏が
<来店要請に一切、応じず、債務を返済する意思が全くない>
とされている。
だが、和田氏の手元にはRCCに対して、返済交渉したいという趣旨が記された書面が今も残されている。
「ワシは何回もRCCに、交渉をと言ってきたわ。けど、向こうは『今、2000人くらいが話し合いの順番待ち』などと言うばかりやった。そして、なんも返答がなく、いきなり破産。そして、逮捕。ヤクザだとか、返済に応じないとか、虚偽の前提を創作。そこへ刑事事件や破産など法的手段を用いて、回収を図ろうとした。国策会社がこんな嘘ばっかりついて、どうしまんの。RCCの担当者は大阪府警の調べに『悪質な債務者』と自分たちの怠慢を棚に上げて、ワシのことをそう表現している。悪質なのはRCCやがな」
と和田氏は訴えるのだ。
和田氏は、競争入札妨害などの容疑が今年5月に実刑判決を受けている。現在は控訴中である。
「こんな嘘ばっかりが作り上げられ、それがきっかけで刑務所行きやなんて、無茶ですわな。ワシ、戸籍では77歳ですが実は80歳が本当の年齢。こんな年になって、こんな目にあわされて、もうほんまに」
と大きなため息をつくばかりだった。




