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公権力を使い“濡れ手でアワ”のRCC――コモンヒルズ北山を舞台の虚偽登記事件

『デイリータイムズ』2008年12月でとりあげた、岐阜市のコモンヒルズ北山を舞台にした虚偽登記事件(39㎡の土地を5万9253㎡と登記)。2008年9月にコモンヒルズ北山を開発を手掛け逮捕された、不動産開発会社社長・中村満被告と虚偽登記にかかわったとされる登記官、司法書士、土地家屋調査士らが、公電磁的記録不正作出・同供用で名古屋地検特捜部に逮捕された。


 その後、起訴された中村被告や登記官らの裁判が名古屋地裁ではじまった。


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コモンヒルズ北山の案内所(左)と分譲住宅地


 当初、中村被告以外は罪を認めるのではないかとみられていた。だが、登記官らが法廷で否認。裁判は予断を許さない展開となってきたのである。


 アクリル板越しに現れた丸坊主の男性。


「何が本当なのか、それをしっかりと証明したい。権力を駆使するRCCの手法には許せないものがある」


 と訴えるのは名古屋拘置所で面会した中村被告だ。


 捜査段階で認めていた登記官らが、なぜ否認に転じたのか。中村被告は鮮明に記憶していることがある。


「検事調べで取調室にいた時です。怒鳴り声がして、机を叩いたりすごい音がした。暴力団の調べでもしているのかと思えば、聞いている内容からすると、私の事件。検事に自供を強要されたのでしょう。真実でない調書を作成し、それにサインさせられた。だが、裁判になって本当のことをわかってほしいと、否認に転じたと思います。起訴状では、私と登記官が共謀して虚偽登記したとなっています。しかし、共謀なんてあり得ない。接待やワイロもない。逮捕された登記官の中には顔や名前を知らない人もいるのです。どうして共謀できるのか。話し合って、納得して通常に登記したのですから」


 と中村被告はそう話すのだ。


 以前にも述べたように、整理回収機構は一度は岐阜県警にこの事件を持ち込んだ。しかし、


「登記官や測量士が事情を聞かれました。しかし、事件化は無理という結論でした」(中村被告)


 すると、RCC、今度は名古屋地検に持ち込んで、中村被告らの逮捕となった。なぜ、RCCはそこまでして、事件化をもくろんだのだろうか。


 RCCは中村被告の債権を旧三和銀行から買い取った。金融機関から不良債権を買い取ることができる、金融再生法53条によるもっだった。


 中村被告は、旧三和銀行からRCCに債権が譲渡された2003年4月時点で、64億円の融資を受けていた。その債権がなんと、6億3414万円でRCCに譲渡されていたのである。


「6億円で買った債権で、単純計算でRCCは50億円を回収できる権利を有するわけです。実においしい話です。事実、中村被告は宅地開発をしており、一部は分譲済。さまざまな”事件物件”が多い中にあって、非常に魅力的だったのは正直なところです」


 とRCCの関係者はそう打ち明けた。


 だが、中村被告との交渉は思ったようには進展しなかった。


「旧三和銀行とは、開発をしながら返済をする約束で、15億円を実際に返済している。しかし、75億円まで融資すると言っていた旧三和銀行が急に融資を64億円でストップ。そしてRCCに債権を売却。私は最後まで自分の手で開発したかった。そんな思いをRCCは踏みにじろうとしたので、私は反発したのです」


 と中村被告は心中を語るのだ。


 これまで、RCCは債権を買った金額を一切、明らかにしてこなかった。それは、国会でも問題になっていた。今回は、RCCの債権買い取り金額がはっきりした。


「RCCはとれるだけとってやうと思ったのでしょう。しかし、こんな手段を選ばないやりかたってありますか」


 と中村被告は無念そうに話す。


 RCCは元々、旧住専処理のために設立されたことはこれまで何度も述べた。中村被告の債権は、53条買い取り。つまり、金融機関の都合で国策会社のRCCが買い取ったのである。


 旧住専の債務者は「ヤバイ筋」が多いと、RCCには警察、検察、裁判所、税務署、弁護士など日本の「権力」がフルキャストで集った。


 そんな公権力をRCCは金融機関都合の53条買い取り債権にまで使っていることになるのだ。


 そして「権力」もRCCに迎合するうように、それを受け入れる。


 こんなことが許されるのだろうか。




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