「漢検」前理事長を批判する鬼追新理事長の厚顔無恥さにRCC元社員も怒り
5月14日の『朝日新聞』の読者投稿欄にこんな意見が掲載された。
<漢検の新理事長に問いたい>
というタイトルで兵庫県在住の男性が書いている内容をすべて引用する。
<日本漢字能力検定協会の新理事長に鬼追明夫氏が就任した。勤めていた信金が破綻した際、私は整理回収機構(RCC)に拾われ、5年間ほど勤務した。入社した02年当時の社長が鬼追氏だった。
当時、上司から「RCC社員という立場を利用して債務者から便宜を図ってもらうようなことはするな」と注意された。法令順守はどの会社でも当たり前である。
ところが鬼追氏は社長だった当時、債務者企業から月10万円の顧問料を受領していたことが、昨年1月に明らかになり、9月には大阪弁護士会から懲戒処分を受けた。部下に「便宜を受けるな」と指示する立場にいた当人が便宜提供を受けていたのである。
鬼追氏は理事長就任後の会見で大久保昇前理事長が退職の事実がないのに退職金を受領していたことなどについて、「あきれてものが言えない」と批判した。前理事長を批判する資格が鬼追氏にあるのかどうか、私は問いたい。>
こんな内容である。
この投稿を読んで、まさに同感という思いがしたのは、私だけではないだろう。
前号で私は、漢検の新理事長に就任した鬼追氏の姿勢と漢検が京都市左京区の南禅寺近くに購入した豪邸との関係について指摘する記事を書いた。
それを見た、RCC元社員であったAさんから私のもとに連絡があった。ちなみに、その元社員は『朝日新聞』への投稿欄の執筆者ではない。
「鬼追さん、本当に南禅寺の物件について知らなかったと言ったのですか!?」
とAさんは驚いた口調でそう話した。
私が記者会見でのやりとりについて、Aさんに伝えると、
「関西でその当時、RCCの社員であれば、たいてい南禅寺の物件については何らかの形で知っていましたよ。債務者の京都市内のゴルフ関連会社のA社はRCCがはじめて債権放棄して自主再建を目指した。しかし、うまくいかずに2004年に民事再生法の申請を余儀なくされた。社長案件というより、RCCあげての案件であり、常に報告が鬼追さんにはあがっていたはず」
と振り返るのだ。

記者会見場の鬼追漢字検定協会新理事長
南禅寺の物件は、敷地面積約3345㎡。そこに日本風家屋が建っている。A社やその関連会社、実質的経営者であったK氏が30年ほど前に取得。K氏の自宅に使用されていたり、顧客の接待などに使用されていた。
だが、景気動向の変化で、ゴルフ場開発などの事業が芳しくなくなったA社は、Aさんが前述したように、経営破綻。債権を有していたRCCがそれまでになかった、債権放棄して、再生して回収を目指すという手法をとった第1号だった。
「RCCに12年間で78億円を分割返済するという形でA社は自主再建を進めていました。順調に回収はできていました。しかしゴルフ場の預託金返還請求やそれに関連したA社や関連会社の破産申立があり、民事再生法申請となりました」
とAさんは話す。
RCCの初代社長だった、中坊公平氏は大口債務者の回収状況については、
「社長直轄案件」として、自らが報告を受けて細かく指示をしていた。その後を継いだ鬼追氏。
「中坊さんほどでなかったが、鬼追さんも報告は受けていたはず。特にRCCではじめての債権放棄による自主再建の案件ですから」 とAさんは言う。
A社が所有していたゴルフ場や不動産物件などで、南禅寺の物件もRCCでは何度も話題になっていた。
「南禅寺という地域でなかなか、売り物件が出ない。しかし、建築などの制限が厳しい地域でもある。売却すると決まってからも、20億円だという声もあれば、5億円くらいかとの話も出て、なかなかどれくらいの売却価格が適切なのか、難しい判断があった。当時の景気から、民間企業で5億円で南禅寺の物件を買った場合、商業ベースでは利益があがらないとみられていた。その後、さまざまな話があって、最終的に漢検という買い手がついたのです」
とAさんは言い、なおも、
「本当に鬼追さん、知らなかったのか」
と繰り返し言うのだ。
財団法人の理事長であり、RCC元社長、日弁連会長などの要職を歴任した鬼追氏。その存在はまさしく「公人」である。もし、前号の記者会見で「記憶にない」した発言や過去の記憶が食い違うのなら、今からでも釈明すればいい。
かつての部下にまで「批判する資格があるのか」と鬼追氏は厳しく問われているのだ。今後、そう問われることがないように、漢検の理事長として手腕を生かしてほしいものだ。




