民主党政権誕生に怯えるRCCの「ぼろ儲け」構図
1枚のペーパーが手元にある。整理回収機構(以下RCC)が国会議員の求めに応じ、作成した<RCCの保有する、健全行からの買い取た債権の内訳(平成20年9月末現在)>というタイトルの資料。作成者はRCCである。

RCCが金融再生法53条(金融機関から不良債権を買い取ることができる)に基づき金融機関から買い取った債権とその回収額、民間のサービサーとして金融機関から買い取った債権と回収額が一覧にまとめられている。
それをみると、まさに「ぼろ儲け」の実態が明白である。
通称、53条買い取りと呼ばれる、金融再生法53条の買い取り。一覧表では平成13年から買い取りがはじまり、平成17年の買い取り終了までに、10458件の債権を買い取った。買取総額は3189億円。そして平成20年度までに6335億円を回収している。買い取り総額の2倍以上の回収だ。
そして、民間サービサーとしての債権買い取りとしては、平成13年から20年の8年間で、1133件の債権を240億円で買い取り、253億円が回収総額となっている。 53条買い取りがいかに莫大な利益をあげているのか、よくわかるはず。
「53条買い取りは金融機関がわざわざRCCに依頼するのですから、通常より安く債権が仕入れられます。自らの不良債権を減らすのが主目的ですから、値段が少々安くとも関係ありません。後は国策会社のRCCが、強大な権力で債務者から回収するのですから、それは関係ないことになる」
と言うのは、ある大手メガバンクの債権回収部門で働いた経験者。
そこで、ペーパーから見てみると、53条買い取りでは、1件あたりの回収額が約6000万円。民間サービサーとして買い取りでは1件あたり約2100万円程度。なんと3倍もの、開きがある。
ある民間サービサーの幹部は言う。
「53条買い取りはRCCしかできませんから、大きな利益があがるんでしょう。それに、国策会社ですから、民間サービサーにはない強制力がありますからね。それが、53条だろうが、旧住専関連の債務だろうが、民間サービサーの債務だろうが関係なく、強制力を行使できますからね」

RCC本社の入る東京・日本橋中央ビル
RCCは預金保険機構を通じて、財産調査権などを有しており、警察や検察への告訴、告発についても、民間サービサーと比較するれば、
「国策会社ですから、警察や検察はすぐに受理して捜査に着手してくれます。『RCCに告訴されるなら』って債務者はそっちを優先して払いますよ。実際に、過去にうちとRCCの両方に債務があり、RCCは怖いからって先に債務を払い、うちがとれなかったというケースもあります」
と先の民間サービサーの幹部は言う。
そこで、かねてから問題になっているのがRCCの強制力の発動だ。53条買い取りや民間サービサーの買い取りというのは、金融機関の自己都合で生じたもの。債務者の意向など完全に無視されている。
「元々、RCCの強制力というのは、旧住専の悪質な債務者を視野に入れたものです。それが、実際には53条買い取りの債務者などにも使われている。これはおかしい」
と話すのは、椎名麻紗枝弁護士。
確かに、その通りである。
旧住専の処理のために設立された、国策会社のRCC。それが、機能を高められさまざまな債権が回収できるようになった。そして民間サービサーが誕生し、RCCもそのライセンスを取得している。にもかかわらず、RCCだけには「強制力」が付与されている。それが、旧住専の債務とは関係がない、53条買い取りや民間サービサーとしての買い取りにまで及ぶという、ねじれ。
「なぜこんなことでねじれるのか。放置していることが問題。債権や債務をどうこう言う前に処理しなきゃいけないのはRCC。民主党が次期選挙で勝てば、RCCはすぐに処理する方向です」
と話すのは民主党幹部。
今の政治動向を見ていると、そう遠くない日のようである。
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