亀井静香郵政・金融担当大臣、RCCの苛酷な取り立て実態を聞く
「いや、皆さん、遠くからご苦労様です」
とにこやかに出迎えてくれたのは、亀井静香金融担当相。
10月6日、本誌でもお馴染みの、椎名麻紗枝弁護士が、整理回収機構や銀行の強引な取り立て、請求に苦慮している金融被害者を連れて、金融庁で亀井大臣に面会を求め、窮状を訴えたのだ。

亀井大臣は、郵政・金融の担当大臣。中小企業や住宅ローンの借金返済を一時的に猶予する「モラトリアム」制度をぶちあげ、中小零細企業から喝采を浴びている。
その一方で、大手金融機関、銀行などとは完全に冷戦状態だ。三菱東京UFJ銀行頭取で全国銀行協会の永易克典会長は記者会見で「自由主義経済の主要国でモラトリアムが発動されたことははない。中小企業に対する円滑な資金供給は十分、やっている」などと反論。亀井大臣との対立が深まっている。
そんな中、椎名弁護士らは、亀井大臣の激励に訪れたのだ。
この日は、遠くは北海道から、四国まで約40人が駆けつけた。本誌でかつてとりあげた、被害者の顔もみられた。
「私は亀井大臣が就任時、債務者のことに触れていただき、心から感謝しております。今日は、世間からは逆風でもある亀井大臣を励ましにきた」
と述べた。そして、椎名弁護士が主宰する「銀行の貸し手責任を問う会」から、金融被害者救済のため、イギリスの「金融オンブズマン・サービス」制度を見習った「金融紛争処理解決機構」の設置と被害の拡大を防ぐ、「金融消費者保護法」の制定を求めた。
そして、
「アメリカのオバマ大統領はサブプライムローンで政策転換して公的資金が債務者救済につながるようにした。日本でも同じようにしてほしい。バブル押し付け融資で、多くの人が自宅までも失っている。社会的公正のために、経済再建ができるようにしてほしい。金融機関と債務者、対等でない。法的な見直しをお願いしたい」
と訴えた。
そして、全国からやってきた被害者が亀井大臣を前に次々と窮状を訴えた。
その中に、私が以前から相談を受けていた北海道からやってきたHさんがいた。
「私はRCCから今、厳しく取り立てされています。誰よりも、民主党政権を望み、そしてRCCを潰してくれることを切望してきました」
とHさん。
不動産会社を経営するHさん。バブル時代には、大きく業績を伸ばした。北海道内では指折りの不動産業者として数えられることも多々あった。
しかし、バブル崩壊で取引銀行が経営破綻した。その債権がRCCに移行したのだ。
RCCの取り立ては厳しかった。
「厳しいのは、わかる。しかし、話し合いをしても、言っていることがころころと変わるのですよ」
とHさんは言う。この日は、椎名弁護士から亀井大臣と直接、会えると聞いて、わざわざ夫婦で北海道から飛行機でやって来た。亀井大臣の前に立ったHさん。
「北海道は北海道拓殖銀行が破綻。大変な状況が今も続いています。私はこれまで12億円を返済してきた。一時は和解までした。しかし、RCCはさらなる払いを求めてくる。裁判までして、身ぐるみとろうとする。借金に関係ない別会社に資料まで出せという。助けてください」
と訴えた。
すると、亀井大臣は、
「秘書官おらんか」
と声をあげた。そして、
「担当局長に言って、RCCがどんなことやっとるか、話をよく聞いて。適切な対応させるようにしてください」
と即座に指示した。

Hさんは現在、裁判所で係争中なので、詳細は省くが、
「一時は1億円払えば、債権放棄しますと和解案を示してきた。こちらが、それならなんとか折り合おうと、資金調達に走った。しかし、急にやっぱりダメだという。とんでもありません」
とHさんは怒るのだ。
そして、次に訴えたのは東京のTさん。銀行との紛争はスタートだった。それが解決したと思えば、その債権の一部がRCCに譲渡されていた。
「銀行と和解して、和解金ももらった。これでなんとか、再出発しろと。そこにRCCが連帯保証人だから、債務を返せと訴えてきた。ここまでやられて、今度はRCCという公的機関が訴えてきました。むちゃくちゃの話です。これまでの金融庁、高いところから見ているだけでした。亀井大臣の手でなんとかかえてほしい」
と切々と訴えた。
これらの訴えに、亀井大臣は、
「RCCには、いろいろな思い、考えがある。私、こういう、立場でそういうこというのどうかとは思いますが、本当に何のためのRCCなのかというね」
とRCCについて、厳しい姿勢を見せた。そして、
「みなさんが困っている問題、今からでも解決できるように努力したい」
と述べた。
すると、被害を訴える人たちから大きな歓声があがり、
「亀井先生、がんばれ」
と拍手が沸きあがった。
「大臣室で拍手やこんな大きな歓声があがるなんて本当、珍しいね」
と秘書官たちがびっくりするほどの熱気、盛り上がりようだった。Hさんは言う。
「今日、北海道からやってきてよかっか。直接、声を聞いてもらえ本当に嬉しい。政権がかわったことを実感しました。RCCや銀行もこんな声に耳をかたむけてほしい」
Hさんは期待する。
それが、政治に反映される日がすぐそこまで来ているようだ。
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