アジアの有力国家・中国とタイの観光とビジネス投資
4月11日に温家宝が来日する中国、4月3日に来日し、日タイ経済連携協定を結んだスラユット・ジュラーノン首相のタイ。この両国のビジネスと観光のフォーラムが相次いで行われた。
オリンピック開催地でもある中国・山東省の観光セミナー
中国の経済的進出は、世界の注目の的となっている。経済の発展と同時に、観光地としてもクローズアップされている。さらに中国では2008年にオリンピックが開催される。否が応でも、世界中から人が集まり、中国経済はここ2年間は飛ぶ鳥を落とす勢いになっている。その中国で3番目の都市といわれている山東省。北京とともに2008年のオリンピック会場でもある青島を抱え、都市整備などが着々と進んでいる。また、世界遺産の泰山など風光明媚な観光資源に溢れている地でもある。
山東省は北に渤海、東に黄海があり、黄河の下流に位置する人口9300万人の地で、経済規模でも広東省に次ぐ、中国第2位の渤海湾経済圏を構成している。また中国国内から年間1億6000万人の観光客が集まる観光地でもある。
2007年は、「日中国交正常化」35周年にあたる年で、両国のさらなる文化交流や観光交流の発展が期待されている。そのなかで今回、山東省の孫守瑛副省長をはじめとする観光関係の一行が来日し、去る3月29日に東京・ホテルオークラにて山東省の観光資源のアピールに務めた。
孫副省長はこの観光セミナーの冒頭の挨拶で「孔子や孟子などを輩出した山東省は中国人の心のふるさとです。また中国経済の中心の一つにもなっています。文化や産業の進展も盛んで、観光地としても有望な地域として活躍しています」と述べた。

セミナーの冒頭に挨拶をする山東省の孫副省長
わが国の国土交通省の柴田観光政策審議官も「これを機会に、両国がより理解を深め、山東省についてもっと知ることが出来れば思っています。また6月の日中韓観光サミットには期待しています」と歓迎した。
また駐日中国大使館から于淑媛参事官兼総領事、東京中国国家観光局の張西龍局長からも挨拶が行われ、そして新しく山東省観光局に就任した于衛局長が「今後の日本と山東省の観光の発展をめざす」ことを宣言。最後に山東省の歴史と観光スポットの映像が流された。
なにしろ山東省の歴史は、6000~7000年あまり前まで溯れ、中国文明の発祥地のひとつである。この悠久の歴史に彩られた文化財や観光スポット、世界自然文化遺産に指定されている「五大名山」などが旅人を迎え入れてくれる。
そして山東省は中国国内総生産(GDP)は3位で、農業生産は1位、金採掘量は1位で、石油生産は中国2位にランクしている。中国1位の人気ビールである青島ビールを片手に、「友あり、遠方より来る、また楽しからずや」という孔子の言葉を信奉する山東省の人々がきっと温かく迎えてくれるに違いない。
偉大なる発展国中国の可能性は誰しもが認めるところ。また自由主義社会に開かれた中国の市場経済は、次々に新しい経済発展を形成しつつある。インフラの整備とともに中国の観光産業ががますます重要な産業のひとつになることは間違いない。
「日タイ経済連携協定」締結と修好120周年を迎えて
日本とタイは600年にわたる交流の歴史を持ち、伝統的に友好関係を維持している。
特に経済面において両国は非常に緊密な関係にあり、タイにとって日本は貿易額、投資額、援助額ともに第1位である。日本にとってもタイは東南アジア地域における重要な生産拠点かつ市場であり、バンコク日本人商工会議所の加盟企業も1251社(06年1月現在)を数えている。
これまで緊密な経済関係をさらに強固なものにするため、日タイ経済連携協定の締結に向け、政府間交渉が開始され今年4月3日、日タイ首脳会談ののち署名締結されるに至った。同協定ではFTAのみならず、投資、政府調達、協力等幅広い分野における経済関係の強化が目指されている。
なお、日タイ両国は、1887年に日タイ修好宣言に調印して近代的外交関係が開始されてから120年目に当たる今年を「日タイ修好120周年」とし、幅広い分野での交流促進を更に活発なものとしていくことに合意している。
「日タイ経済連携協定」が結ばれた翌日の4日、東京・帝国ホテルで「日タイビジネス・投資・観光フォーラム」が開催された。タイのスラユット・ジュラーノン首相の「日タイ両国がウィンウィンの関係なるよう今後とも協力していきたい」とのスピーチで始められ、さらにグラーク・グライ・ジラーペレット商務省大臣、スウィット・ヨードマニー観光・スポーツ省大臣が講演を行った。

フォーラム開会の挨拶をするタイのスラユット・ジュラーノン首相
外国人事業法の整備がなされ、FTAが進捗していること、そして日本からの観光客の倍増、MICE(大型国際イベント)マーケット拡大などの期待が述べられた。
タイ投資委員会(BOI)のサーティット・チャンジャワナクン長官からは、100%の外国資本の参入を認めていることや税制上の恩典や期待される投資ジャンルなどが説明された。BOIが提供している主な税制面の恩典には、3年から8年の法人所得税の免除、機械輸入税の減免、原材料および必要資材の輸入税の減免、法人所得税の免除期間の後に、さらに5年間の法人税50%減税、電気・水道の費用の倍額を法人所得税の査定に際し経費として控除、奨励事業ためのインフラ施設の据付または建設の費用の控除などがある。
そして、パネル討論は「日タイ経済連携下における両国の協力とビジネスチャンス」のテーマで話し合われた。出席は、タイの商工会議所長、工業連合会長、運送業協議会長、日本からは丸紅タイランド坂野哲司社長(バンコク日本人商工会議所会頭)、デンソー・タイランド山田善彦社長の5人で、日本のビジネスチャンスの実態とタイでの投資の可能性が話し合われた。



